夏まきでも高い秀品率 青首ダイコン「夏の守」2013年7月25日
サカタのタネは青首ダイコン「夏の守(かみ)」を開発した。栽培が難しい夏まき秋どりの作型でも曲がりが少なく高品質なダイコンを安定して収穫できる。6月に開催された「第63回全日本野菜品種審査会」で同社のダイコン品種としては18年ぶりに農林水産大臣賞を受賞した注目の品種だ。
ダイコンは年間を通して生産、出荷されているが、夏場は気温が高く、台風やゲリラ豪雨、残暑などにより葉が折れ傷みやすいため栽培が難しい。さらに秋どりは、高温や乾燥の影響で生理障害が発生しやすく、歩留まりが最も低い時期となる。
「夏の守」は同社が15年以上かけて育成した新品種で、こうした夏の厳しい環境条件でも生理障害や病害の発生が少なく、形状のよい高品質なダイコンが高い秀品率で収穫できる。また、萎黄病への耐性があるほか、黒斑細菌病、炭そ病、黒斑病、べと病、モザイク病などの病気、赤芯症、黒芯症、根形不良といった生理障害、過湿による横縞症にも比較的強い。
群馬県の産地で行われた試作では、連日豪雨に見舞われたにもかかわらず生理生涯や病気の発生がなく、そのほか産地での試作では夏場では珍しく秀品率90%を超える地域もあった。
肉質は緻密で、辛みや苦味が少なく良食味だ。
寒冷地(北海道基準)では7月上旬から下旬、温暖地(千葉県基準)では8月中旬から9月初旬、暖地(鹿児島県基準)では8月下旬から9月中旬の播種に向いているが、晩抽性にも優れているため、春まき夏どりにも適応できるという。
種子の本格販売は平成25年12月から。種苗店、JAを通じて販売される。税込希望小売価格は、20ml入り1144円、2dl入り1万1025円、ペレット5000粒入り8715 円。3年後に年間5000万円の売上をめざしている。
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