サツマイモ基腐病から日本のサツマイモを守る 産学連携コンソーシアム設立2023年5月19日
農園芸のイノベーションカンパニーであるwelzo(福岡県博多区)は、鹿児島・宮崎を中心としたサツマイモ経済圏を支えていくため、産学連携のコンソーシアム「みんなのサツマイモを守るプロジェクト-Save The Sweet Potato-」を設立。薩摩酒造(鹿児島県枕崎市)、小鹿酒造(鹿児島県鹿屋市)九州大学大学院農学研究室/土壌環境微生物学研究室、東京大学発アグリテックベンチャーのCULTA(東京都渋谷区)のほか、鹿児島県の農家の賛同を受けて活動する。
出典元:「かんしょをめぐる状況について」令和4年6月 農林水産省農産局地域作物課
2018年に日本ではじめて発症が確認された「サツマイモ基腐病」は、糸状菌(カビの一種)が原因で、感染すると葉や茎が枯れ、サツマイモが腐敗する病気。
サツマイモの産地である鹿児島・宮崎を中心に、基腐病がまん延しており、サツマイモ基腐病を主因として最大25%収穫量減していることから、焼酎メーカーなどサツマイモに関わる産業に大きな打撃を与えている。焼酎用のサツマイモでは焼酎メーカーの生産量ベースで約3500万本、売上高ベース換算で約300億円も市場が失われた。
同プロジェクトでは、基腐病に対する情報を共有。サツマイモに関わるすべての人がつながることで、同コンソーシアムが基腐病の知恵袋となり、さまざまな角度から情報を集約・発信することで、基腐病からサツマイモを守り、持続可能な農業の推進と食料安全保障を実現を目指す。
また、全国のサツマイモ産地でまん延する基腐病に対して、いまだ効果的な防除法は解明されていないため、同コンソーシアムでは、農家、焼酎メーカー、大学などが連携し、防除法を研究・発信。九州大学や東京大学発アグリテックベンチャーのCULTAを含めた連携により、防除法の研究だけでなく、基腐病に強い新たなサツマイモの品種の開発なども視野に入れて、知見の集約や研究を進める。
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