わさびの大規模植物工場で栽培技術開発 海外市場に向けて生産体制構築へ NEXTAGE2025年4月24日
わさびの自動栽培に取り組むアグリテックベンチャーのNEXTAGEと三菱ガス化学は、拡大する海外のわさび市場に向けた安定供給を目指し、大規模植物工場でのわさび栽培の実用化に向けた技術開発を開始した。
わさびの海外市場推計
NEXTAGEは、わさびの国内生産量の改善に向けた新規就農者の増加を目指し、どこでも、誰でもわさびが栽培できる「わさび栽培モジュール」を提供している。
同社の中村拓也代表が、世界各国でわさびの現状を調査するなか、わさびの入手難易度の高さを訴える声や現地事業者による栽培事例を確認する機会が増えてきたことから、当初想定していた、わさび栽培モジュールによる現地栽培だけでは市場への供給力が不十分と判断し、栽培規模の拡大の機会を探っていた。
三菱ガス化学とは、2023年からわさびの植物工場栽培に向けた共同研究を行っており、このほど取り組みに参画することになった。
同社独自の市場調査よると、わさびの年間需要は大きく伸長しており、現在は1万585トンのわさびが世界中で求められている。ヨーロッパでもわさび栽培に関心の高いアイルランドで、ミシュラン星獲得シェフ、わさび関連商品製造会社代表、農業法人代表を招き、同社で栽培した本わさびの試食会を開いたところ、寿司・日本食に加え、イタリアン、ヨーロピアン創作料理でのわさびの活用を提案し高い評価を得た。また、アンケート結果では、和食以外、加工品、原材料としても含め、実に85.7%が食材として利用したいと回答があった。
大規模植物工場でのわさび栽培の実用化に向けて中村代表は「海外のわさびマーケットは大きい一方で、実際にわさびをグローバルに相応量提供するための環境は、ここ数年を遡ってみても手付かずの状態。当社は創業当初から国内だけでなく、海外向けにもわさびを供給するための栽培技術を作り上げることを強く意識してきた。一昨年より、三菱ガス化学とスタートしたPoCプロジェクトのゴールもわさびの大規模栽培を想定したもの。当社と三菱ガス化学の取り組みによって、海外においても、品質が高く美味しいわさびを、現地で待っている方々の手元に届けることが出来ると信じています」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日 -
農業経営効率化へ 青果市況情報アプリ「YAOYASAN」に分析機能追加 住友化学2025年10月31日


































