自己改革を選挙で実践する2018年5月21日
農協の自己改革の成果を地方と国政の選挙の投票で活かす方法がある。農家組合員の所得の確保を第一に掲げた農協の自己改革の出番である。
トランプ流の日米交渉が本格的に始まるとまず標的となるのは牛肉、コメ、野菜などで日本のマーケットを狙った輸出拡大となる。今年11月の中間選挙の票を稼ぐためにアメリカの生産者団体や業界への大統領就任時の約束である「アメリカ第一」の実行である。
アメリカが中国をはじめ各国へ仕掛けている貿易戦争は結果としてアメリカの農産物の市場が縮小することとなり、頼みになるのが盟友の安倍総理となる。ご両人とも選挙が大好きだ。TPPの有利な条件を横取りして、さらに日米二国間貿易交渉でゴルフ場の約束を迫る。
農家組合員が生産した農産物を売るためのマーケットをこれ以上外国産に譲り渡すことはしてはいけない。農業生産者の生産のコストを下げ、少しでも高く売るための努力は当然である。輸出の拡大も努力目標ではあるが高品質であることは認めても、高い価格で買う顧客は限られるので農家の収入に反映をさせることは限定的となる。したがって、国内のマーケットの拡大が必要だ。消費者の要求に応えた新しい商品を開発し、輸送も含めて届ける努力が必要となる。
組合員の生活を守ることが自己改革のポイントであるのであれば、すぐに出来ることから始める。
日本の農産物の市場開放に賛成する政党、議員をハッキリさせてそのような政党、議員にストップをかけることである。TPPへの対応がわかりやすい例となる。国政選挙は機会が少ないが地方の市会議員、県会議員、市長、県知事の選挙は機会がたくさんある。投票は誰にも邪魔をされず、自分の意志で出来る。農家が、消費者の求める農産物を提供して社会的な評価を得るまでには時間がかかる。選挙の効果は開票日には表れる。一地方の結果であっても全国に波及する。
難しい理屈は専門の評論家の先生方にお任せして、協同組合としての基本理念を明確に提案することで農協の社会的な評価が上がることは間違いない。
(関連記事)
・准組合員のメンバーシップ強化へ JA全中実践セミナー(18.04.20)
・自己改革「正念場の一年」-中家JA全中会長(18.04.09)
・「JA自己改革」の周知(18.04.09)
・全農の自己改革 初年度計画ほぼ達成(18.03.28)
・内部管理体制構築を 新たな世代取り込みも【山田秀顕・JA全中常務理事】(18.03.27)
・くらしと営農支えるJA共済へ(18.03.20)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日