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【城山のぶお・リメイクJA】第8回 新生JAは1.5%産業の守護者2018年10月5日

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【城山のぶお】

 農業振興を農業者だけでなく准組合員も含めて考えるべきだという新しいJAの姿を考えることについて、それは所詮JA組織の自己保身ではないかという批判が出てきそうである。
 新生JAを構想していくことには、確かにそのような面も否定はできないが、それ以上にJAが持つ社会的効用を訴えて世論形成をしていくことが重要となる。そのポイントはいうまでもなく、農業に対する国民理解の醸成である。
 アベノミクスで、農業は産業として自立すべきとされ競争原理による政策が進められているが、このような議論は1960年代の日本の高度経済成長期から続いている。
 だが、そもそも農業という産業は、他の産業と同一視されるべきものではない。
 歴史上、農業革命(ここでいう農業革命は、主に18世紀後半からの産業革命による三圃式農法やエンクロージャーなどの改革をさすのではなく、人類がそれまでの狩猟生活から定住による農耕生活に移行していくことをさす)に続いて起こった産業革命は、基本的には便利さを追求する工業革命であり、自然に働きかける農業などの一次産業は多くの面で対象の外にあったし、今後も他の産業と同じ範疇で考えられるべきものではない。
 農業革命は、いまから1万5000年ぐらい前に起こったとされ、産業革命はたかだか200年あまりの歴史しか持たない。しかし、現実には農業は他の産業と同一視され、とくに経済指標として国民総生産という共通の価値尺度が使用される。
 この結果、農業の粗生産額はわが国では1.5%程度にしか過ぎず、こうした傾向はわが国に限らず、先進資本主義国家と言われる国々に共通するものだ。TPPの交渉推進にあたり、当時の政権与党だった民主党の前原誠司外相が、たった1.5%産業である農業のために全体を犠牲にするわけにはいかないと発言し、ひんしゅくを買ったのは記憶に新しい。
 一方で、農業の重要性については国民が等しく認識するもので、政党なども農業はなくてはならないものだと主張する。他方、そうした認識・努力にもかかわらず、農業が置かれた立場は苦しくなるばかりだ、
 TPP交渉における農産品5品目について、わが国の聖域が守られたとは到底いえるものではなかった。また、2018年9月26日のトランプ大領と安倍首相の首脳会談において合意された、日米二国間物品貿易協定(TAG)交渉(実は日米FTA交渉といわれる)において、日本は、農産品についてTPP協定を念頭に、過去の経済連携協定(EPA)で約束した譲許内容が最大限としているが、自動車の追加関税回避を人質に取られた政府は、農産品について、少なくともTPP交渉の前倒し以上の内容を迫られることは必至の情勢である。
 こうした農業攻撃にどのように対処していくべきか。その基本は、対米従属外交姿勢の転換をはかるしかないが、そのためには日本における食料主権の国内合意の確立が必要となる。
 ここでJAが、農業という1.5%産業を支える組織として自らの立ち位置を明確にし、食料主権の国内合意の確立に向けその中心的な運動展開の役割を果たしていくことが重要である。JA全中でも食料の安全保障など食料主権確立の運動を提起している。
 その際、准組合員を食の面から農業振興の同志と位置付け、その主体となってもらうことが、最も現実的かつ有効な方策となる。JAが正組合員とともに准組合員を農業振興の同志と位置付けることは、正准合わせて1000万人組合員の勢力を食料主権確立運動のコアに位置づけることになる。
 もちろん、准組合員制度の本来的な目的は、戦後の農協法制定にともない、戦前の産業組合時代の農家ではない組合員を農協に包含するために設けられたものだが、時代の変遷に伴いその位置づけを農業振興に切り替えて行くことは意義あることではないのか。
 総合JAという装置は、そうでなくても困難な農業振興に大きな力になるのであり、JAはそのことにかけるべきであろう。総合JAという装置をみすみすなくしてしまうことは、農業振興にとって誠にもったいないというべきである。
 また、食料主権確立の運動はJA内にとどめず、広く生協や漁協、消費者の皆さんなどとの連携のもとに進められなければならないことは当然のことである。

 

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