コロナ解放記念日への秒読み【森島 賢・正義派の農政論】2021年6月14日
コロナ禍から解放される日が、日本にも近づいてきたようだ。その日はいつか。
いよいよ、秒読みが始まった。この秒読みは、普通の秒読みと違って、待てば来るというものではない。努力次第で短くもなるし、長くもなる。先週の資料で試算すると、12月21日が解放記念日になる。
楽観的な見方かもしれないが、ワクチンの接種が功を奏すれば、年末には盛大な忘年会ができるかもしれない。秋の観楓会や芋煮会で、大騒ぎできるかもしれない。
早ければ早いほどいい。いま、コロナで1日平均78人の人が死亡している。遅くなれば、それだけ死亡する人が増える。
また、悲観的な見方かもしれないが、コロナ解放記念日が来る前に、変異種が猛威をふるい、大きな第5波になって襲ってくるかもしれない。オリパラ大会など、行っているときではない。
最近、ワクチン接種の加速度が、鈍ってきたようである。
上の表は、いくつかの仮定をおき、ワクチンの接種によって、コロナ禍から解放される日を試算したものである。
ここでは、ワクチンを60%の国民が2回づつ、つまり1億5000万回接種すれば、集団免疫を獲得でき、そうすれば、コロナ禍から解放されるとした。
すでに2000万回接種している。だから、あと1億3000万回接種すれば、コロナから解放される。
それまでに、あと何日かかるか。それは、いつになるか。
◇
表の中の第1行が示していることは、先週の1日あたりの接種回数は、67万回だったが、この速さで今後も接種を続けると、12月21日が解放記念日になる、ということである。
第2行は、先々週の実績に基づく試算である。解放記念日は、12月29日になる。第3行は、その前の週の実績に基づく試算である。・・・・・・
最下行は、菅 義偉首相が公約したように、1日100万回接種した場合である。解放記念日は、10月17日になる。そうなれば、観楓会も芋煮会もできるだろう。
◇
この表から分かることは、5月の連休明けから、急速にワクチンの接種を加速し、その結果、コロナからの解放を早めたことである。
そして、もしも1日100万回を達成できれば、秋には解放記念日を迎えられる、ということである。
◇
ただし、ここには、いくつかの前提条件がある。それは、変異型コロナの猛威を、充分に抑え込む体制を整備することである。そして、それに総力を注ぎ込むことである。それを妨げることを、徹底的に排除することである。
オリパラ大会を開催する力があるなら、その力をコロナ対策に使うべきである。その分だけコロナの猛威を軽減できる。
どうしても開催したいのなら、本土から遠く離れた無人島を会場にするしかない。しかし、コロナで生命の危険にさらされている本土の感染者を見捨てて、政府に協力する医師や看護師はいないだろう。だから、やめるしかないのだ。
◇
この表から最も懸念されることは、オリパラに振り回されて、最近の接種回数の増え方が、やや鈍ってきたことである。先々週と比べて、先週は接種回数が3万回しか増えていない。そのため、解放記念日が8日間しか近づいていない。
何が、その原因か。どうすれば、その原因を取り除けるか。誰が、それを究明しているか。事実に基づく科学的な解明が必要だろう。
そして、そこに、オリパラの方が国民の生命よりも大事、という政治に対する不信がないか。
(2021.06.14)
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