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【スマート農業の風】(17)ドローンだけがスマート農業じゃない!水田用自動給水機とパワースーツの実力2025年7月30日

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スマート農業という言葉を聞くと、ロボットトラクターやロボット田植え機など、自動運転や無人運転の農業機械を想像する。また、大型の米農家に人気のドローンの農薬散布やセンシングもスマート農業の代表と言える。
だが、農水の進めるスマート農業実証プロジェクトによると、スマート農業の社会実装を図るため、先端技術を実際の生産現場に導入し技術実証を行うとともに、技術の導入による経営への効果を明らかにする事業とあり、先端技術を実際の現場に導入できれば、営農管理システムも、この後説明する農業にとって新しい技術もスマート農業に加えることができる。今回は、農業の最適化・時短化が叫ばれる中、いまだに手作業が優先され、機械化・システム化が導入されていない水田用自動給水機と作業補助装置パワースーツについて説明したい。

スマート農業の風

まずは自動給水機。田んぼの見回り・水管理は、機械化され時短化された農業の中でいまだに大きな作業時間を占める。そんな中、この10年ほどの間に水田用自動給水機と呼ばれるものがたくさん出てきた。値段も様々でフルセット40万円を超えるもの、パイプライン専用品など自動化しやすいものから順番に世の中に出てきた形になる。ただ、日本の水田の場合、約70%がオープン水路となっている。パイプラインならば、バルブをモーターで回す機構を考えれば、水の入止水を制御できるが、オープン水路の場合、水路からの入水経路に物理的シャッターを設置しないと水を制御できない。簡単そうに見えるが、ごみの挟み込み・水圧を押してシャッターを押し切る技術などなかなか難しい。

当初は、コンクリート水路に土木工事をおこない、シャッター式の給水装置を設置するものもあったが、土木工事を伴うためそれなりの金額になってしまう。また、給水機本体も高額で単品で入れるだけで10万円を超える出費となってしまう。区画整理などほ場改良工事に合わせて、自動給水機を導入し工事費の中に組み入れて設置をするなど工夫も見られたが、10年後の更新時には高額の代替え費用が発生する。

そんな中、北菱電興(株)がアクアポートを開発した。タイマーや水位センサーで稼働し、塩ビパイプに装着可能なシャッターを備える。コンクリート水路でも土の水路でも、塩ビパイプがあれば、アクアポートの設置が可能となる。駆動は電池式が採用され、電源確保も安価である。

水田用自動給水機というと、ほ場監視をセットにして今のほ場の状態を見ながら水を入れたいという欲求が発生する。当然、リアルタイムのほ場情報を得るためには、通信装置を備えなければならず、価格上昇やインフラの整備が必要になる。アクアポートはその部分を割り切っていてスタンドアローン(単独)で機能する。機能は仕様により違うが、タイマーで決まった時間に入水をするタイプと、上下の水位センサーを備え、想定する水の量に水位が達成すればシャッターを閉め、減水によりほ場水位が下がるとシャッターを開け入水するタイプがある。タイマータイプは、山水などの水温の低い地域に好まれ、夜間など決まった時間に入水して昼間の水温上昇を期待して使用することが多い。また、センサータイプは水路に水が潤沢にあり、かけ流しも想定しながら水位変化を気にすることなく、ほ場管理がおこなえる。

どちらのタイプも、ほ場の見回りが全く必要ないわけではなく。水位センサーを備えた万能タイプのほ場監視装置の機能には到底及ばない。ただ水回りの回数を1日数回から1日1回に減らすことが可能な装置であるため、徐々に使用者数が増えている。価格も比較的安く、通信装置のような外部コストがかからないので、農家には受けている。

ここからは、パワースーツ。介護の現場や空港の荷物運びなど荷重のかかる作業現場で徐々に普及を始めているのが、パワースーツだ。モーター・ゴム・ばね・人工筋肉と呼ばれる加圧チューブなど、作動機構は様々だ。ただ、すべての機構に共通しているのは、腰の上げ下げの挙動を補助することで、重量物の運搬を楽にするというもの。当然、手にかかる荷重はそのままである。蛇足だが、今回のパワースーツは、腰の上げ下げの補助機構が中心の話である。腕にかかる荷重を受け止めるパワースーツもあるが今回は別な話で聞いてほしい。

足の付け根付近に器具を装着し、腰に装着した機構と連結することで、荷物を持った状態で腰を上げる運動を補助し腰の負担を減らす。下に置いてある荷物を一定の高さに持ち上げるときに有効な機構が多い。果樹や野菜の現場で、満載のプラ箱を軽トラに積むときなどに有効な機構だ。実際に使ってみるととても便利だが、装着したまま軽トラやフォークリフトに乗れないものも多く、運転者と荷揚げ者を分けるなど使い方の工夫が求められる。昨今、パワースーツが安価で提供されるようになった。高齢者や重作業に従事する方々には、ひとつの助けになる話題だ。

今回の水田用自動給水機と作業補助装置パワースーツは、高価なものであればすぐにでも手に入る。ただあまりにも高価すぎて導入には至らなかった。最近になり、安価なものが出てきたことで農業現場でも普及が始まっている。本来スマート農業とは、省力化・軽量化を目指すものであり、今回の事例はまさにスマート農業の最先端と言えるのではないか。

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