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【浜矩子が斬る! 日本経済】二つの中央銀行物語~目の前にある危機と負の遺産の重荷 不都合の尻ぬぐい役に2025年8月5日

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二人の中央銀行総裁が厳しい状況に当面している。米国FRB(連邦準備理事会)のジェイ・パウエル議長と、日本銀行の植田和男総裁である。パウエル議長は、現在、目の前にある危機と格闘している。植田総裁は過去からの負の遺産に伸し掛かられ続けている。パウエル議長の状況がより差し迫っているが、植田総裁への重圧も全く軽視出来ない。

エコノミスト 浜矩子氏エコノミスト 浜矩子氏

パウエル議長の目の前にある危機はドナルド・トランプだ。トランプ大統領は、何としてもFRBに速やかな利下げを実施させようとしている。理由は二つだ。第一に、自分が敢行中の高関税政策による物価高のおかげで、米国景気が悪化する格好になるのを避けたい。そうならないように、いわば予防的利下げを進めさせようとしている。第二に、これまた自分が打ち出した「大きくて美しい財政法」がもたらす財政赤字の拡大による債務返済負担を少しでも軽減したい。要は自分の政策がもたらす不都合の尻ぬぐいをFRBに押し付けようとしているのである。

言うことを聞かなければ、パウエル議長をクビにする。その構えを露骨に打ち出している。さすがに、金利を下げないことだけを理由にしての解任には無理がある。そこで、言いがかり作戦に出ている。目下進行中のFRB本部ビルの修復にカネがかかり過ぎている。パウエル議長のガバナンス不足だ。そう主張している。工事現場に乗り込み、同行したパウエル議長をカメラの前で中傷した。

植田日銀総裁の場合、このようにあからさまな政治介入にさらされているわけではない。だが、政策運営は相変わらず綱渡り状況だ。植田氏に託された課題は、日銀の金融政策の正常化だ。長らく異次元に行ったままだった金融政策を正常な軌道に戻すことを目指している。そのための軸となるのが、今なお、実質大幅マイナス領域に止まっている政策金利の引き上げを着実に進めることだ。だが、それがなかなか順調には進まない。国債利回りの急上昇は何としても避けなければならない。為替相場が円安や円高の方向に過度に振れることも避けたい。金融政策が為替の過大変動をもたらして、経済実態にダメージを及ぼすようなことになっては元も子もない。ひとたび、正常軌道を外れた政策を修正しようとすると、いかに多くの障害にぶつかり、いかに神経をすり減らさなければならないか。このなかなかの高ストレス状態と常に付き合い続けなければならない。それが植田総裁の日常である。

FRBも日銀も、8月は政策決定会合がお休みだ。9月に何がどうなるか。それまでに、さぞや、様々な憶測が飛び交うことだろう。

ところで、トランプ対パウエルの攻防を巡って、奇妙なことが起きている。米労働省労働統計局が発表した7月の雇用統計が、予想外に悪かった。そして、5月と6月についても、既発表雇用統計データの大幅下方修正が行われた。これにトランプ大統領が激怒した。これは、トランプ政権のイメージダウンを狙った政治的操作だというのである。そして、何と、労働統計局長の解任を通告した。

これは明らかなる暴挙だ。政治的操作の主張に関して、何の根拠も示されはしなかった。とんでもない。

だが、話の奇妙さはここから先だ。雇用統計が当初想定よりも悪く出たことは、トランプ大統領にとって最高の援護射撃だったはずだ。それ見たことか。景気は既にかなり悪化してるじゃないか。あんたがもたもたしていたのが悪い。深く反省して、さっさと金利を下げろ。そうパウエル氏に言える材料が出て来た。それなのに、それを陰謀的フェイクだと言う。変だ。むしろ、利下げ催促のためにトランプ氏が雇用統計の改ざんを指示したのではないか。そう疑う方がつじつまが合うのじゃないか。そう言いたくなる。少し笑える。パウエルさんと植田さん、とっちの荷が重いだろう。考え込む。

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