主食用米、需要実績779万トンに2013年7月30日
出来秋の需給対策が課題
食料・農業・農村政策審議会の食糧部会が7月26日に開かれ、米の需給の基本方針(米穀の需給及び価格の安定に関する基本方針)を審議し林農相からの諮問どおり答申した。
◆米の需要落ち込む
24年7月から今年6月までの需要実績は779万tとなった。昨年決めた基本方針の需要見込みよりも20万t落ち込み、前年実績にくらべて34万t減少した。主食用需要が800万tを割り込んだのは初めて。
これによって6月末の民間在庫量は226万tとなる見込み。昨年6月末の180万tにくらべて46万t増える。民間在庫量は過去10年間でもっとも多い水準となり、過剰米対策が課題となる状況だ。
25年/26年(25年6月?26年7月)の需給見通しでは、供給量はこの民間在庫226万tに25年産生産数量目標791万tを加えた1017万tとなる。
一方、需要見通しは最近の米の消費量をふまえて推計すると、786万tとなる。その結果、来年(26年)6月末の民間在庫量は231万tとなる見込みだ。米の需要量が減少するなか、231万tの民間在庫量は過去15年間でもっとも多かった平成14年の229万tを超える。14年/15年のの需要実績は894万tだった。
◆備蓄米の活用で意見
部会では流通関係業者から米価高騰が需要減退を招いたとの指摘が出た。全米販(全国米穀販売事業共済協同組合)の木村良理事長は、24年産米の作況が102だったにもかかわらず米価は23年産比で10%上昇したことを指摘。集荷段階で概算金が高く設定されたことを要因に挙げ、外食産業では米の使用量を減らす傾向が出ているなどの問題を話した。
一方で春先からは売れ行き不振の荷余り感から特売に走るなどの米流通の現状を話し、「需給を反映した価格形成になっていなかったことが需要減退の要因ではないか」と強調した。
外食産業団体の日本フードサービス協会元会長の田沼千秋氏は「外食・中食で扱う米は300万トン。安定的にいい米をいかに使うが業界の課題」だとして、円安で他の原材料価格も上がっているなか、1kgあたり300円を超す米価水準では「米を使えなくなる」と話した。そのため、業務用米として多収穫品種の開発など用途別の米の生産の必要性のほか、SBS米や備蓄米を需要に合わせて利用できるようにすることも求めた。
一方、JA全中の冨士重夫専務は、需要見通しが実績と大きくずれたことへの国の対応と、民間在庫が増加する見通しとなっていることから、備蓄制度を活用した国による需給対策の必要性を強調した。また、主食用以外の需要を確保していくことが重要で、米粉用の需要拡大のために製粉コストが麦にくらべて高いことなどを挙げ、米の製粉のコスト支援策なども検討すべきだと主張した。
これらの指摘に対して農水省は、従来どおり棚上げ備蓄制度での備蓄米を需給対策に活用することはないとの考えを繰り返した。
部会長に再任された中嶋康博東大教授は、需給見通しと実績が大きくずれることに対策が打たれていないことを指摘し「業界全体の問題として取り組むべき」とも強調した。


(関連記事)
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