【30年産米調査-産地の声】作柄悪く所得減の不安も2018年11月1日
農水省は10月31日、30年産の主食用米の全国作況指数を発表した。10月15日現在で99の「平年並み」だったが、日照不足と高温で、現地のとらえ方は地域によって異なる。概ね、、品質やほぼ平年並みだが、収量が少ないとみており、生産者の所得減少は避けらない。産地JAの声を聞いた。
◆減収農家の支援へ
北海道の作況は平成21年に91だったが、今年の農水省の作況指数90でそれを下回る。昨年もよくなかったが、今年は90の作況指数を実感している。6月からの天候不順で、7月に一時回復した。しかしその後大雨で、8月に一時回復したものの盆前に崩れて登熟が進まなかった。
茎数と籾数の減少、登熟不足で減収になった。タンパク高めで品質面でも厳しい。ゆめぴりかが主力だが、基準品の率が下がり、必要な量が不足するのではないかと心配している。栽培には個人差があるが、今回は田植えの遅れたところで被害が大きい傾向がみられた。適期を守り、早め早めに作業するよう奨励している。
今年は米のほか、北海道が主力産地の麦、豆類の作柄もわるいのでナラシ対策(収量減少影響緩和対策)が発動になるだろうと期待している。またJAとしても金融対策を含めて支援していきたい。(北海道JAきたそらち)
◆基本技術の徹底を
農水省発表の作況指数は101だが、実態は98か99とみている。感覚としては10aあたり1俵(60kg)くらい少ない500kg前後になるだろう。減数分裂期の7月20日ころ高温が続き、窒素分が不足した。掛け流しするなどして水温を下げればよかったのだが、その判断ができなかった。
収量の減少に加え、今年から7500円の直接支払交付金がなくなり、米の収入は1~1.5割減ることになり、影響は大きい。天候と生育の状況をみて栽培できる人が少なくなった。
きちんと対応した集落では特Aが100%のところもある。気候変動が予想されるこれからは、特に基本技術を徹底為ることが重要になるだろう。(農事組合法人「となん」代表理事組合長 熊谷健一氏)
◆「96」の作況を実感
集荷が本格化し、状況が少しずつ分かってきたが、天候不順だったことや、カメムシの発生などもあり、収量が少なく、品質もよくなかった。農水省発表の作況指数では、西日本で最も悪い96だが、実態を反映しているように思う。
10月19日現在、2等米が70%前後を占めている。管内は高知県の山間部で、良質な米ができ、行政とともに取り組んでいる特別栽培のブランド米を「天空米」として販売しているが、2等米が多いと販売に影響が出るのではないかと心配している。品種は高温障害に強い「にこまる」で、栽培をすすめている。(高知県JA土佐れいほく)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日