「コメ不足の余波」米菓メーカーの倒産・廃業が増加過去最多ペース 帝国データバンク2024年10月7日
帝国データバンクは10月6日、「米菓製造業」の倒産発生状況に関する調査・分析を発表した。「コメ不足の余波」がせんべいに波及し、米菓メーカーの倒産・廃業が増加。過去最多ペースで推移しており、消費低迷にコメ価格高騰が影響している。
帝国データバンクは、「米菓製造業」の倒産発生状況について、負債1000万円以上法的整理による倒産を対象に調査・分析を行った。集計期間は9月30日まで。
同調査によると、全国的なコメ不足と価格高騰の影響が、せんべいなどコメを原料とする菓子にも及んできた。コメを原料にせんべいやあられ、おかきなどを製造する米菓製造業の倒産(負債1000万円以上、法的整理)や休廃業解散は9月までに計11件発生。2022年通年の件数(5件)を上回る増加ペースで、過去最多となる可能性がある。
米菓メーカーでは、米菓需要の低迷と原料となる国産米の価格高騰によるコストアップの狭間で厳しい経営環境が続いている。総務省の調査によれば、せんべい(100g)の小売価格は2024年平均で149円・2020年比で2割超上昇し過去10年で最高値を記録。大手米菓メーカーを中心に、製造コストの上昇による値上げの実施が影響した。
一方で、せんべいへの家計支出は2020年比17%増にとどまり、購入枚数も推計で家計当たり月2枚分(同7%)減少。近年はお中元・お歳暮などの需要減が続いたことに加え、家計の節約志向で買い控えや他ジャンルの菓子への需要が流出するといった影響も大きかったとみられる。
足元では原料となる国産米の価格高騰に加え、安価な米国産など輸入米も円安で価格が上昇。生産現場における人手不足も重なって製造コストの上昇が続いており、「値上げしなければ経営が成り立たない」状況が続いている。
今後も、原料米の価格高騰などコスト高の局面が続くとみられ、中小米菓メーカーでは消費量拡大の糸口がみえないなかでの単純な値上げは難しい。これまでの「硬い」食感のせんべいから、「ふんわり」とした米菓の開発でファミリー層の支持を取り込むなど、消費者の生活スタイルに合わせた商品の提供などが、今後の米菓メーカーの成否を左右する可能性がある。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日