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【Jミルク生乳需給見通し】脱粉在庫8万トン台に拡大 北海道増産に転じ需給緩和深刻、飲用値上げ響く2025年6月4日

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Jミルクは、2025年度生乳需給見通しで、生乳生産733万5000トンと1月の当初見通しから上方修正した。一方で、乳価値上げで需要は厳しさを増し、需給緩和から脱脂粉乳在庫は8万トン台に拡大する。業界挙げた需給調整の重要性が一段と増している。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)

脱粉在庫8万トン台に。ヨーグルト需要喚起が大きな課題となる脱粉在庫8万トン台に。ヨーグルト需要喚起が大きな課題となる

25年度生乳生産733万トンに

Jミルクは5月30日、2025年度生乳需給見通しを示した。1月末の数字から最新の需給動向などを加味し修正した。

前年度対比で微減の減産見通しは同じだが、北海道を上方修正した。その結果、全国は733万5000トン、前年度対比99・5%、うち北海道は428万2000トン、前年度比100・4%と増産に転じた。

◆2025年度生乳生産見通し(5月最新数値)
・全国 7335(99・5)
・北海道4282(100・4)
・都府県3053(98・2)

◆2024年度生乳生産実績(5月最新数値)
・全国 7373(100・7)
・北海道4264(102・1)
・都府県3109(98・7)

◇2025年度生乳生産見通し(1月時点)
・全国 7288(99・2%)
・北海道4234(99・8)
・都府県3054(98・3)

◇2024年度生乳生産動向(1月時点)
・全国 7350(100・4)
・北海道4243(101・6)
・都府県3108( 98・7)
※単位千トン、カッコ内は前年度実績比、24年度生産1月時点の25年1~3月は見通し

24年度は北海道426万トン、2%増で着地

Jミルクが示した24年度生乳生産実績は3年ぶりに増産となった。全国生乳生産の約6割を占める北海道が増産計画に転じたことが大きい。1月時点で示した数字よりも北海道が2万1000トン上振れした。最終的に24年度の全国生乳生産量は737万3000トン、前年度対比100・7%となった。うち北海道は426万4000トン、前年度対比102・1%で着地した。

24年度は、北海道が前年の猛暑で牛の分べん時期が後ズレしたものの、8月以降は前年水準を上回って推移している。一方、都府県は7月以降、前年水準を下回っているが、年末から年度末に向けて減少幅が縮小してきた。このため、全国の生乳生産量は3年ぶりに前年度を超した。

飲用前年割れ、生乳需給緩和に拍車

25年度の需要動向を示す用途別処理量は、主力の飲用等向けが、1月時点の当初見通し前年度プラスから5月の最新時点でマイナスに転じた。北海道の生乳生産が持ち直す一方で、需給緩和が深刻化してきた。

飲用牛乳の生産処理量が1月時点の100・6%から5月時点で99・1%に、脱粉在庫解消につながるヨーグルト原料などの発酵乳が1月時点の100・7%増から5月時点で99・9%に下方修正、前年度比割れの見通しとした。

内橋政敏Jミルク専務は「6月の乳製品、8月からの飲用牛乳の価格改定の影響に加え、米価高騰の余波も大きい」と見る。乳価値上げに伴い乳製品の価格改定率3~10%、牛乳は6%と見られ、これらが消費にどう影響するのか。さらには米価高騰の余波は、牛乳・乳製品も含め、他の食品の買い控え、購入数量・金額の減少となって表れている。

◆2025年度の用途別処理量(5月最新数値)
・生乳供給量7291(99・5)
・飲用等向け3840(98・9)
・乳製品向け3451(100・1)
※単位千トン、カッコ内は前年度実績対比

需給に「重し」、脱粉在庫8万トン台

北海道が増産に転じた半面、飲用向けや発酵乳などの需要が前年度割れに下方修正されれば、結果的に乳製品仕向けが増える。

最大の焦点は、国の支援も得ながら酪農・乳業業界挙げて取り組んでいる脱粉在庫削減への影響だ。Jミルク見通しでは、年度末の脱粉在庫が8万トン台に達するとした。在庫対策が未定のため、その効果は入れていない。膨らむ脱粉在庫が生乳需給全体に大きな「重し」となっている形だ。新商品開発も含めヨーグルト需要の拡大を柱に、脱粉在庫削減が2025年度でも業界の最大課題となる。

非系統50万トン超どう影響

2025年度生乳需給見通しは、飲用牛乳の低迷や脱粉在庫の積み増しなど厳しさを増す。ここで問題となるのが実効性ある全体需給調整の対応だ。

指定生乳生産者団体を経由しない非系統の自主流通生乳の2024年度取扱量は50万トンの大台を超えた。北海道でも30万トンを超えた。ほぼ飲用牛乳に特化した自主流通の道外送りは単月でホクレンを上回る事態も起きている。ホクレンの生乳道外送りが抑制されれば、それだけ道内での乳製品仕向けが増え、全体の生乳需給調整の上で大きな課題となる。

異例の農水省会見「見送り」

今回の生乳需給見通し発表で異例だったのは、農水省当該部署の牛乳乳製品課が出席せずJミルク単独で行ったことだ。カレントアクセスの輸入枠の扱いをどうするのか。追加輸入はあるのか。異例の農水省不在は、輸入枠を現時点では変更ないこと意味する。

それにしても、これまで5月需給見通しで会見してきた農水省がなぜ不在だったのか。今後の生乳需給で焦点となるのがバター対応だ。脱粉過剰の半面、バターは不足感がある。一方で25年度は生乳需給緩和がさらに深刻化している。農水省関連では、米不足、米価高騰が大きな社会問題となり、連日国会でも質疑がある。乳製品の対応でも、同省がより慎重になっている表れかもしれない。

農水省は24年度に4年ぶりのバターの緊急追加輸入に踏み切った。決定時期は通常国会閉会直後の異例の同年6月26日。数量は4000トン、生乳換算で5万トンと大量の追加輸入枠の設定だ。

国家貿易品目の乳製品は国際約束の低関税輸入枠「カレントアクセス」(CA)分の生乳換算13万7000トン。25年度は1月に同数を設定したが「仮置き」との見方もある。これを超えた追加輸入の有無の判断は通常1、5、9月に、直近の需給動向を踏まえ決定する。

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