日本型スマート養豚の技術体系確立へ 実証プロジェクト開始2020年5月26日
AIやICTなど最新データテクノロジーを駆使し、新たな養豚モデルの開発に取り組んでいる株式会社Eco-Porkは、農林水産省が公募する「令和2年度スマート農業実証プロジェクト」で、鹿児島大学と同社提携先の田中衡機工業所と共同で提案した実証課題「データ活用型スマート養豚モデルの実証」が採択された。
豚肉の国内生産量は横ばいで推移しており、2017年以降、国産の豚肉供給率は50%を下回っている。また、近年は、EPAやTPPなどの経済連携交渉で国際競争が進む中、国内生産はより一層の生産効率化と生産コストの低減、消費者ニーズに応じた高品質化への取り組みが求められている。
そのため、同プロジェクトでは、養豚の生産から出荷に関わる7つの先端技術を異なる品種と地域の複数農場で一貫体系で導入し、国際競争力強化に向けた「日本のスマート養豚技術体系」を確立することをめざしている。
(図1)スマート農業実証プロジェクト概念図
実証課題で同社は、養豚経営管理システム「Porker」や飼養環境管理センサー、母豚体調測定器などのスマート農業技術を提供。養豚生産で重要な豚状況や温度管理などの可視化を行い、鹿児島大学と共にデータ分析を通じて最適な生産体制の構築支援・コンサルティングを行う。また、業務提携先の田中衡機工業所とはプロジェクトを通じて共同で肥育管理の高度化とオートメーション化に取り組む。
肥育オートメーションシステムでは、出荷豚のデジタル選別、豚舎環境の自動測定、システムとの自動連係を実現し、日々の体重測定や出荷選別業務の効率化、出荷計画策定支援、豚舎内環境の見える化による遠隔監視など肥育管理のオートメーション化を支援する。
(図2)豚の成長記録も、出荷豚の選別も、全て自動で行う肥育オートメーションシステム
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