歩く健康法「中之条研究」成果を活用し、自治体とJAの連携を JA共済総研がセミナー2026年2月16日
JA共済総研は2月13日、東京都港区のJA共済ビルでセミナー「地域ぐるみの健康増進を目指して~『中之条研究』の成果を活かした取組みから広がる、自治体とJAとの連携の可能性~」を会場参加とオンライン配信のハイブリッドで開いた。
東京都健康長寿医療センター研究所「中之条研究」部門長の青栁幸利氏
群馬県吾妻郡中之条町では2000年度から約25年、住民の歩数や運動強度を継続的に記録し、日常身体活動と病気予防との関係を調査する「中之条研究」が進められている。研究を進めている東京都健康長寿医療センター研究所「中之条研究」部門長の青栁幸利氏が基調講演を行い、中之条町と同県沼田市の実践報告、JA共済総研による自治体とJAの連携への支援などを紹介した。
主催者を代表して、JA共済総研の小川良介理事長が、「高齢化、人口減少の農村地域における健康寿命を延ばす取り組みを、地域ぐるみで考えるきっかけにしてほしい」とあいさつした。
基調講演で、青栁氏は研究の目的について、「高齢者の健康増進や疾病予防に最適な日常身体活動の総合的パターンの解明」にむけ、中之条町でのアンケートや健康診査、遺伝子解析などを継続してきたことを説明した。特に、歩数や歩く速さ(強度)を計測できる「加速度センサー付身体活動計」を常時装着し、病気との関係を研究してきた。
その結果、1日あたり「8000歩・速歩き時間20分」が「予防(改善)できる病気・病態」の健康効果との相関関係が高いことを解明。高齢者が1日に約2000歩、速歩き5~10分増やすことで、生活習慣病(高血圧症、糖尿病、脂質異常症など)に予防効果があり、1人あたり月額約1万2600円の医療費削減につながるシミュレーションを示した。実際に、中之条町では、身体活動計装着者と非装着者の間で、医療費に月額1万円以上の差があることを示した。
セミナーの様子
中之条町は、身体活動計を利用した「健康づくりサロン」の取り組みを軸に実践事例を紹介。「歩いて貯める健康ポイント事業」で20~50歳代の参加者も増え、2025年度からはスマートフォンアプリ「あるこっと」も導入している。今後の課題としては、「JAとの連携による参加者の拡大や幅広い事業展開に期待」している。
沼田市でも、特定保健指導として身体活動計の活用を推進し、ウォーキングマップの作成や、地域通貨に移行できる健康ポイント(ウォーキング、検診受診、食事、講座受講)を付与するとともに、イベントや地域通貨加盟店(市内約560店)などの事業を促進。非参加者に比べて、参加者の医療費抑制に大きな効果を挙げている。
JA共済総研は、2024年から農業者の健康診断受診率に関する調査研究に着手し、「中之条研究」にも着目。自治体の保健師を対象に、勉強会や取組意向調査などを開始した。その結果、「中之条研究」には全体の半数の自治体が活用に関心や検討の意向を示している。そこで、スマートフォン向けツールを活用した保健指導の導入など伴走支援を複数の類型に分類して提案を進めている。
このなかで、JAグループと自治体との連携協定が、市町村では529件(「JAグループの活動報告書2019」)となっているものの、項目は「農業振興」「食育」が中心で、「健康づくり・介護予防」分野は限定的となっている。そのなかで、JAうつのみやと宇都宮市では、女性部会ネットワークを活用した出前受診。JAグループ新潟と新潟県では、県下JA一体で地域住民参加型「健康チャレンジ」の取り組みなどの事例が生まれていることを紹介した。
「中之条研究」の成果を生かし、自治体のニーズに応じて、情報発信、行動開始、行動継続、助言・指導といった柔軟な支援を実施するとともに、「組合員をはじめとした地域住民の健康増進や地域課題の解決に貢献したい」(JA共済総研の阿部山徹調査部主任研究員)と呼びかけた。
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