経常利益9.8%増 震災前の水準まで回復 24年度上半期総合JA経営調査2013年1月18日
JA全中は1月17日、平成24年度上半期総合JA経営速報調査の結果概要を発表した。24年9月30日時点の全国の総合JA710のうち、期中合併などで2カ年分のデータが比較できないJA、6月決算のJAなどを除いた597JAを集計した。
◆販売事業、9年ぶり増
事業取扱高が前年同期に比べて増えたのは貯金、購買事業、販売事業で、販売事業は9年ぶりの前年同期比増となった。
一方、前年同期に比べて減ったのは貸出金、有価証券、長期共済保有高だった。
貯金は前年同期に比べて2%増(以下、すべての比率は前年同期比)の86兆1700億円。各種キャンペーンや公金受け入れなどにより全国的に増えた。貸出金は1.4%減の22兆2300億円だった。
長期共済保有高は満期による解約・失効などによる減少傾向が続き、2.2%減の276兆8700億円だった。
購買事業、販売事業はともに、原発事故の影響による昨年度の大幅な落ち込みからの回復があった。
購買事業は、燃料・葬祭・Aコープなどの取扱高減少を受けて生活物資が1.4%減となったが、生産資材は0.6%増で、トータルでは0.4%増の1兆2500億円。4年ぶりの前年同期比増となった。
販売事業は3.8%増の1兆4800億円。米価が好調を維持したことなどが要因。

◆事業総利益4年連続減
損益は、事業総利益が4年連続前年同期比減となる0.3%減の8700億円だった。
事業別では販売事業のみが3.6%増の460億円だったが、信用が0.2%減で3800億円、共済が0.8%減で2400億円、購買が0.9%減で1500億円だった。
ただし、事業管理費・人件費も減少し、この減少幅が事業総利益の減少幅を上回ったため、事業利益は6.6%増の860億円、経常利益は9.8%増の1300億円だった。
JA全中では、「(事業利益、経常利益ともに前年同期比を大きく上回ったが)震災前の水準まで回復したにすぎず、とくにJAの経営が元気づいたというわけではない」として、今後も厳しい経営環境が続くと見ている。とくに信用事業については、「円安や金利の上昇は調達コストの増加につながる。計画達成は大事だが、リスク管理もしっかりやってほしい」としている。
(関連記事)
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