化成肥料550銘柄を25銘柄に集約-JA全農2018年5月31日
JA全農は5月30日、30肥料年度の秋肥価格について公表した。そのなかで全農改革の一環として取り組んでいる銘柄集約について、全国約550銘柄を25銘柄に集約することを明らかにした。
JA全農は、肥料についてはメーカー数や銘柄数の多さが製造・流通コストを押し上げる一因となっていることから、銘柄を集約したうえで事前予約を積み上げて、入札によってメーカーを絞り込むことで価格の引き下げをめざしている。この「新たな共同購入運動」は29肥料年度の春肥で約400銘柄あった高度化成・NK化成の一般銘柄を17銘柄に集約し、ブロック単位での入札で1~3割の価格引下げを実現した。
30肥料年度秋肥では、新たに「普通化成一般」と「苦土入り高度化成」150銘柄を対象品目に加え7銘柄に集約する。これに秋肥では高度化成・NK化成の一般銘柄を18として、あわせて約550銘柄を25銘柄に集約する。JA全農肥料農薬部によればこの集約で化成肥料の「主要な部分はカバーできた」という。
6月末に事前予約を積み上げて7月に入札を実施を実施する。
30日には主要単肥の価格についても公表した。窒素質とりん酸質肥料は値上げ、塩化加里は据え置きとした(表)。
輸入尿素、輸入りん安の国際市況は、世界最大の輸出国である中国が政府の環境規制を強めたため、基準をクリアできない工場などで製造を停止したことから大幅に上昇している。塩化加里は過去最高の出荷を記録するなど、世界的に需給が引き締まっていることから、国際市況の上昇が見込まれている。海上運賃も堅調な荷動きと燃料油の値上がりで上昇している。
外国為替は、好調な米国経済や長期金利の上昇などで2017年は111円~115円で推移し、今年2月は日銀の金融政策変更への憶測や米国の財政赤字拡大懸念などで円高が進んだものの、最近では再び円安となっている。
また、肥料の製造経費や窒素質肥料の原材料価格に影響を与える原油価格は、産油国間の協調減産が2018年末まで延長されたことから、前期の価格決定時にくらべて大幅に上昇している。
こうした情勢のなか、JA全農はメーカーの合理化努力、コスト削減を求めるなどの取り組みで値上げ幅を圧縮したしている。
価格の適用開始は6月から。地域と作物によって異なることもある。
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