配合飼料価格 2900円値上げ 22年1～3月期 ＪＡ全農2021年12月17日
ＪＡ全農は12月17日、2022（令和4）年1～3月期の配合飼料供給価格を10～12月期に対して全畜種総平均トン当たり2900円値上げすると発表した。
改定額は地域別・畜種別・銘柄別に異なる。
今回の価格改定をめぐる飼料情勢を全農は以下のように発表した。
トウモロコシのシカゴ相場は、9月上旬には１ブッシェル（25.4kg）5.4ドル前後で推移していたが、原油価格の上昇によるエタノール需要の増加や、堅調な輸出需要から上昇し、現在は同5.9ドル前後となっている。
シカゴ相場に加算される内陸産地からの集荷コストは、新穀の流通が始まったことから小幅だが下落している。
今後は生育期に入る南米産地の天候が注目されるが、引き続き旺盛なエタノール需要や輸出需要などを背景に相場は堅調に推移することと見込まれている。
大豆粕のシカゴ相場は、9月には1トン370ドル前後で推移していたが、米国農務省（ＵＳＤＡ）が9月30日に発表した米国産大豆の四半期在庫が市場予想を上回ったことから、一時同350ドル前後まで下落。その後、中国向けを中心とした輸出需要が増加したことや、ＵＳＤＡの11月発表で米国産とアルゼンチン産大豆の生産量が下方修正されたことなどで、現在は同400ドル前後で推移している。国内大豆粕価格は、シカゴ相場の上昇と円安で値上げが見込まれる。
米国・日本間のパナマックス型海上運賃は、8月には1トン80ドル台前半で推移していたが、堅調な穀物輸送需要や燃料価格の高騰で一時90ドル前後まで上昇した。その後、中国向け鉄鉱石輸送需要が落ち着くなどの要因で現在は70ドル台で推移している。今後は南米産大豆の輸送需要が本格化することから、海上運賃は底堅く推移すると見込まれている。
円ドルレートは、9月は110円前後で推移していたが、米国経済の順調な回復を背景とした早期利上げ観測などで一時115円を超える円安となったが、その後、新型コロナウイルスの変異株の拡大懸念から現在は113円前後で推移している。
今回の配合飼料供給価格の値上げについてＪＡ全農は、トウモロコシや大豆粕の価格上昇と円安のほか、その他原料（糟糠類、飼料用油脂、飼料添加物など）の値上がりも要因となっているとしている。
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