選手と接する時間を増やす 常に目を配り対話を行う 柔道男子の鈴木桂治監督が語る人材育成【全中教育部・オンラインJAアカデミー】2025年1月27日
JA全中教育部主催の第5回オンラインJAアカデミーが1月24日に開かれ、全日本柔道男子の鈴木桂治監督が「選手の個性を生かした選手育成、支え合うチームづくり」をテーマに講演した。アカデミーはJA内外の優れた経営者らの講演・報告を柱に、JA・中央会・連合会の役員や職員がJAの将来ビジョンを考える機会としている。今回は会場参加30人、オンラインでJA・連合会など50団体が視聴した。
全日本柔道男子 鈴木桂治監督
鈴木氏は選手としての現役、全日本柔道男子のコーチ・監督の経験をもとに人材育成とチーム作りを話した。東京・町田市で自ら開設した子どもたちのための「鈴木桂治柔道アカデミー」への思いも語った。
現役時代は国士舘大学柔道部、全日本柔道男子のいずれも監督であった故・斉藤仁氏から厳しい指導を受けた。斉藤氏は「柔道の引き出しが多く知識、技術」は圧倒的な存在。大学2年当時には、課題であった外国人選手との闘い方を習得するため毎日深夜まで指導を受けた。それは指導者として「絶対妥協はさせない。自分も妥協しない。何とか強くしたいと共有してくれた時間」だった。濃密な時間のなかでこそ甘えを捨て「自分を律することができた」と振り返る。
こうした経験から「指導はマイナスを削ること。目標を持ち、世界と戦って金メダルをとるには時間がかかる」という考え方に立つ。若い選手の性格の違いに応じたコミュニケーションでは苦労もした。東京五輪に向けては、重量級のコーチとして「最低でもメダルが目標」の重圧と闘った。悩みや課題を打ち明けられず、結果を出せない選手もいた。
コーチ時代の経験もあり、全日本柔道男子の監督に就いてからは「指導者との相性が合致すれば、選手本来の力を発揮できる。コーチには代表候補の選手と接する時間を増やしてほしい。信用し合える時間を共有することで成績も変わる。指導者の方針、方法があり、相手も違う。選手に合った方法にするには時間をかけるしかない」と伝えている。
最近の選手は「承認欲求が強い。常に目を配り、選手を見ていると伝え、選手の考えも尊重して、対話することで成長に繋がる」と見ている。対話は「指導者が何をどう伝えるか。説得力はメダルの色ではなく、各自にあった対策が必要」と若者の特徴も踏まえて考えている。
柔道アカデミーは、お子さんの1人に障がいがあったことがきっかけだった。「障がいを持った子たちが集まって学ぶ場はあるが、健常者と一緒に学べる場は少ない」と、自ら開設。ただ「療育の認可も受けたいがローカルルールが多すぎる」と各方面に相談しながら、柔道とは別の「知らなかったことが多すぎる。挑戦することを楽しんでいる」とも。こうした取り組みを「JAでも認知を広げて欲しい」と呼びかけた。
参加者からの質問にも丁寧に答えた。
――柔道の魅力は?
指導者としては強化や選手選定など苦しいことの方が多い。子どもたちにとっては、柔道着を着ることが非日常的な経験。最初に教えるのは、受け身は面白くないので、投げから。これも非日常的な魅力がある。
――柔道アカデミーでの地域密着の取り組みは?
広い駐車場で餅つきをしたり、夏は大きなプールを作ってバーベキューも行い、とにかく楽しい場所にしたい。たくさんの地域の人にも協力してもらっている。
――強くなる選手は
圧倒的な根性。目標をしっかり持ち、ぶれない。練習量は嘘をつかない。どれだけ気持ちを持ち続けられるか。根性があれば、折れても、ぶれても軌道修正できる。
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