農産物輸出額 牛肉、米など伸び過去最高の8097億円 15.5%増 25年上半期2025年8月4日
農水省は8月4日、2025年上半期(1-6月)の農林水産物・食品の輸出額を公表した。
輸出額は8097億円となり前年同期比で15.5%増、1086億円増となり、農産物等の輸出額をとりまとめた2002年以来、過去最高額となった。
輸出先は米国が1410億円で1位。4月から10%の関税措置が導入されたが、ホタテ貝、緑茶、ブリなどが大きく増加した結果、対前年同期比で22.0%増となり過去最高額となった。
米国関税の影響は?
農水省によると10%関税の影響はあったとみられるものの、影響額については不明としている。
関税が発動される前の駆け込み輸出もわずかにあったとみられるが、ほとんどの事業者は納入時期等を契約しており、契約どおりの輸出が行われたとみられる。金額だけでなく全体として数量も伸びているため、関税が課せられても品質等への高評価で取引量が減らなかったことも考えられる。
一方で輸出事業者が関税の一部を負担して納入価格を抑えたことも考えられることから、今後、分析、検証が求められる。農水省は8月7日に発動される15%関税の影響について、米国内の情報収集や、輸出事業者への聞き取りなどを行うことにしている。
米 2万3600t輸出
農産物の輸出額は5231億円で同14.4%増となった。
上半期として過去最高を記録したのは19品目で、うち農産物(加工食品含む)は13品目。
このうち牛肉は同15.5%増の325億円。豚肉は同28.3%増の13億円。
米は同22.6%増の67億円。数量は2万3662tで前年同期比で2800t増えた。
パックご飯も過去最高で同43.8%増の9.6億円となった。
そのほか過去最高は緑茶263億円(同65.3%増)、味噌35億円(同18.1%増)、醤油64億円(同12.0%増)など。
関係者からの聞き取りでは日本食レストランの増加、日本食への関心の高まり、インバウンドの増加による日本食の認知度向上、健康志向の高まりなどが輸出増加の主な要因だという。
国別では台湾806億円(同9.6%増)、韓国507億円(同22.3%増)も過去最高額となった。
農水省は2025年度の輸出目標額を2兆円としており、目標を達成するには下半期で前年比47.7%増の1兆1903億円の輸出実績が必要となる。農水省は輸出重点31品目のうち21品目が前年比増となっており「簡単な数字ではないが、もっと加速していく必要がある」としている。
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