【特殊報】植木類にチュウゴクアミガサハゴロモ 府内で初めて確認 大阪府2025年8月4日
大阪府環境農林水産部農政室は、植木類(ガマズミ、グレビレア等)にチュウゴクアミガサハゴロモRicania shantungensisの農業被害を府内で初めて確認。これを受けて、8月1日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
(提供:大阪府病害虫防除グループ)
大阪府環境農林水産部農政室によると、4月に北部地域の植木苗施設栽培ほ場で、新梢に産卵痕が付けられ、枝の伸長抑制やすす病による被害が見られた。採取した卵(図1、2)をふ化させ(図3、4)飼育し、得られた成虫(図5)を農林水産省神戸植物防疫所に同定依頼したところ、チュウゴクアミガサハゴロモであることが判明した。府内で同虫による農業被害が確認されたのは今回が初めて。
(提供:大阪府病害虫防除グループ)
チュウゴクアミガサハゴロモは中国原産で、2017年に大阪府で初確認されて以降、府内各地の灌木類で発生が拡大。頻繁に目にするようになってきている。国内では関東以西の本州、四国および九州の各地で発生が報告されている。
農作物における被害は、2024年に神奈川県、埼玉県、福岡県、山梨県、2025年に入って東京都、群馬県、熊本県、富山県、千葉県で確認され特殊報が発出されている。
チュウゴクアミガサハゴロモ成虫(図5)の体長は7〜14mm程度、前翅長は約14mmで、茶褐色〜鉄さび色。前翅前縁中央部に三角形〜半円形の白斑があるが、白斑の形状には個体差がある。幼虫(図3、4)は白色で、腹部から白い糸状の毛束が広がっている。枝内部に産卵された部分(図2)の表面は毛状の白色ろう物質で覆われている(図1)。成虫はガのように見えるが、カメムシ目に属しアブラムシやウンカ、セミに近い昆虫。
同種は極めて広食性で、多くの木本植物やキク科の草本植物に寄生する。果樹では、リンゴ、モモ、カキ、カンキツ、クリ、ブルーベリー等での発生が報告されている。成虫は寄主の枝に産卵し、成幼虫ともに新梢を吸汁する。日本における年間世代数など、生態は不明。
チュウゴクアミガサハゴロモは集団で樹木の枝を吸汁し、その排泄物にかびが生えすす病を誘発するため、果樹では果実の外観品質を損ねる。また、成虫は直径10mm以下の細い枝を割いて産卵するため、枝が損傷し、伸長抑制や枯死により樹木を衰弱させる。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)チュウゴクアミガサハゴロモに対して登録のある薬剤は無いため、産卵された枝の除去に努めるなど、個体数を減らす耕種的・物理的防除を行う。
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