農林水産予算2兆3267億円 2年連続増2013年12月24日
政府は12月24日、平成26年度予算案を決定した。農林水産予算は25年度当初予算より291億円増えて2兆3267億円とした。平成11?12年以来、13年ぶりの2年連続増額となった。
当初予算での対前年度比は101.3%。公共事業費が6578億円(101.1%)、非公共事業費が1兆6689億円(101.3%)となった。公共事業費のうち農業農村整備事業は2689億円で前年比102.4%。補正追加額と合わせると3489億円となり同132.8%となる。
◆農地集積に705億円
臨時国会で成立した担い手への農地集積・集約化を進める農地中間管理事業に関連する予算のうち、農地中間管理機構の事業運営や農地の出し手への協力金などの予算は新規事業として305億円を確保した。25年度補正予算で400億円を確保しており合計で705億円で初年度の事業を支援する。 合計705億円のうち、農地の出し手に対する支援(機構集積協力金)で253億円を計上している。全額国庫補助として、▽まとまった農地を機構に貸し付ける地域に対する支援(地域集積協力金=140億円)▽経営転換・リタイアする場合の支援(経営転換協力金=65億円)▽農地の集積・集約化に協力する場合の支援(耕作者集積協力金=45億円)、を行う。
農地中間管理機構の事務費や出し手に支払う農地の賃料、管理・保全にかかる経費などの業務支援には314億円をあてる。仕組みのうえでは地方自治体の負担もあるが、負担分は地方財政措置でまかなう予定で実質的には全額国庫負担となる見込みだ。
そのほか、農地台帳地図システムの整備・公表、耕作放棄地所有者への意思確認など基礎業務への支援として138億円があてられる。
農地中間管理事業によって農地の大区画化や汎用化なども推進するが、これは農業農村整備事業で実施。予算額は1064億円。そのほかに補正予算で450億円が確保されている。
◆日本型直接支払に483億円
経営所得安定対策のうち、水田活用の直接支払交付金は2770億円で253億円増加。飼料用米に数量払いを導入し最大で10a10万5000円助成される支援に増額されたほか、産地交付金を264億円増額し804億円とした。
産地交付金は▽飼料用米・米粉用米で多収性専用品種への取り組み▽加工用米での複数年契約の取り組み▽備蓄米の取り組み、に対して追加的な助成を行うための交付金となる。
一方、10aあたり1万5000円の米の直接支払交付金は単価が7500円となるため、ほぼ半額の806億円となる。また、米価変動交付金は26年産から廃止されるが、25年産の価格が下がった場合の補てんは行われるため200億円を確保した。
そのほか創設される日本型直接支払制度の「多面的機能支払交付金」は新規に483億円を確保した。地域共同で行う多面的機能を支える活動や、農地・水路・農道などの地域資源の質的向上を図る活動を支援するもので単価は都府県の「田」で「農地維持支払」3000円/10a、「資源向上支払」2400円同などとなっている。来年度予算は250万?300万haの取り組みを見込んでいるという。
(関連記事)
・農地中間管理事業で課税に特例 税制改正事項 (13.12.24)
・予算増額など全9項目を要請 JAグループ(2013.12.17)
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