公選制維持し農委強化を 全国農業会議所2014年5月28日
全国会長大会で要請決議
全国農業会議所は5月27日、東京都内に全国から約2000人が参加し、26年度全国農業委員会会長大会を開いた。大会では農業委員会改革に関する要請決議などを採択し、終了後には農林水産省などへ要請活動を行った。
◆二田会長「最大の難局」
規制改革会議は農業委員会について、公選制の廃止や都道府県農業会議と全国農業会議所制度の廃止などを意見としてとりまとめた。
主催者あいさつで二田孝治会長は、これらの提起について「われわれ農業委員会系統組織が、農村で一生懸命働いてきたその役割と実績を無視し、組織の解体を意図するものと感じざるを得ない。系統廃止の理由は何も書いていない。何か新規参入のじゃまになるから、思うままにやらせろということか」と声を荒げて批判した。
さらに政府が進めようとしている農地中間管理機構の創設など新しい農政と「タッグを組みながら進めていこうとしているところ。そういうときに議論することもなく、一方的にばっさりと切り捨てる。これが許されるか」と訴え、「自ら改革するところは改革する。今日の大会は、農業委員会制度発足以来、最大の難局を迎え、これをいかに乗り越えていくか大変重要な大会。地域を守り活力ある農業と農村を築いていくことを一緒に確認したい」と話した。
(写真)
政府の規制改革会議の取りまとめを非難する二田会長(中央)と、それを聞く林農相(右)
◆農委の役割軽視
来賓の林農相は農地の集積や担い手育成などに「農業委員会が積極的に取り組んでもらうことが極めて重要」と期待し、農業委員会のあり方については「現在、政府、与党で検討を進めているところだが、農業委員会が地域の農地利用の最適化により貢献するにはどうしたらいいかといった観点から、そして、今日いただいた久しぶりの二田節、みなさんの熱い熱気を現場の声として受け止めて検討していきたいと思っている」とあいさつした。
大会では、規制改革会議の意見を「地域の農業者の信任を得た農業委員会の役割を軽視した内容は理解したがい。決して容認できるものではない」として、▽公選制のもとでの開かれた農業委員会の強化(選任委員に地域の消費者、食農教育の専門家などを参画を検討)、▽許認可業務と農業振興業務の一体的な推進(農地中間管理機構との連携強化など)、▽ネットワークの強化による農業委員会の活動への支援(3段階の維持・強化)、などを盛り込んだ「農業・農村の再生に向けた農業委員会制度・組織改革に関する要請決議」などを採択した。
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