【農協改革】中央会制度は維持を強調 自民党2014年6月11日
自民党が6月10日にとりまめた「農協・農業委員会等に関する改革の推進について」では、全中や県中についてはJAグループの組織協議をふまえて、役割を見直すとしながらも農協法上に中央会を位置づける考えで、農林幹部議員も会見でこれを強調した。
自民党のとりまとめでは中央会について「農協法上の中央会制度は制度発足時との状況の変化をふまえて……適切な移行期間を設けた上で現行の制度から自律的な新たな制度に移行する」と記されている。さらに新たな制度についてはJAグループの組織協議もふまえることも明記している。 10日の会合後、農協や農業委員会改革についてのPT(プロジェクト・チーム)座長を務めた西川公也氏(農業委員会・農業生産法人に関する検討PT座長)と森山裕氏(新農政における農協の役割に関する検討PT座長)は記者団の質問に対して以下のように話した。
◇ ◇
Q:中央会制度は廃止になるのか、ならないのか?
森山氏:まったくなくなることはない。なぜそういう質問が出ますか。素直に読めば、新しい組織に移行するとなっている。それも団体の議論を経ていくということにもなっている。全中がなくなるとか、県中がなくなるとか、そんなことはまったく考えていない。
西川氏:その通りであって、これから自己改革案をつくっていただいて。(中央会が)必要なことは誰も分かっている。どういう改革案が出てくるか、それらを私どもと調整をしながら農業の発展に尽くしてもらいたい。こういうことであって、なくすなくさないの議論ではなく、どんな改革をやってもらうか、われわれもどういう改革をするよう意見交換するか、これが真意だ。
Q:自己改革に求められる視点は?
森山氏:農家の所得をいかに増やしていくか、そして農村集落をいかに活性化するかだ。
Q:自己改革で進むと思うか?
森山氏:改革は進むと思う。農協は組織だから、やはり組織で議論をしていただくことは大事なこと。組織の議論を抜きに方向づけるということは慎まなければいけない。
西川氏:われわれも議論をしたが、とくに県の中央会が果たしている役割は大きいという意見では一致しているので、中央会制度はなくなるということはない。とくに都道府県の中央会は農業者と密接に仕事をやってきている。都道府県の行政ともうまく連携をとれているので、これはもともと組織としては残す、残したいとこういう議論をしてきた。どういうかたちになるか、自己改革案を含めて、よりよいかたちにしていきたい。
森山氏:昭和29年のときと、今は大きく変わっている。それは中央会の関係のみなさんも理解している。新しい農政に向かってどういう役割を果たしていくのか、を中心に議論をしていただけると思う。今の法律が求めているままで残るということではなくて、新しい役割を担っていくかたちで議論が始まるだろうと思う。
Q:監査や指導権はどうなるのか?
森山氏:監査については私はいい仕事をしてきたと思う。ただ、必ず全中の監査でなければいけないのかというところは、やはり単協に選択権を持たせるということは考えたほうがいいのではないか。それは単協の判断に任せるということだと思う。
指導権とか、調整権というのもしっかり考えていかなくてはならないが、今からどういう役割を担うのかということからスタートするわけだから、そのためにどういう法律の枠組みをつくるかというように話が進んでいく。どういう役割を担うかということの話を詰めないと次の話をしていけないのではないか。
Q:農協法で位置づけることに変わりはないか?
森山氏:農協法上で位置づけていくことになると思う。
なお、10日の段階で11日に与党の改革案を説明するとされていた規制改革会議の農業WGは今のところ公式には開催されていない。13日の規制改革会議の答申に向けて水面下で調整が行われている可能性もある。
(関連記事)
・【農協改革】JAグループに自己改革要請 自民とりまとめ(2014.06.10)
・全中つぶしの暴論(2014.06.09)
・【農協改革】自らの意思で改革実践 萬歳会長(2014.06.06)
・【コラム・目明き千人】農協組織は逆三角形です(2014.06.05)
・【農協改革】攻撃はねのけ自ら改革 JA全中(2014.06.03)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲にイネカメムシ 県南部で多発のおそれ 栃木県2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【公明党】米政策が農政の柱 谷合正明参議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【日本維新の会】農業者への直接支払い実現を 池畑浩太朗衆議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【国民民主党】食料安全保障基礎支払いの創設めざす 舟山康江参議院議員2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【社民党】ミサイルよりコメを! 福島みずほ党首(参議院議員)2025年7月9日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」【参政党】10年以内に自給率を倍増 神谷宗幣代表(参議院議員)2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】地域ブランドつなぐ 営農経済部門・福岡県・にじ農協組合長 右田英訓氏2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】「不易流行」で農支援 営農経済部門・熊本県・球磨地域農協組合長 福田勝徳氏2025年7月9日
-
【第46回農協人文化賞】人とのつながり糧に 営農経済部門・長野県・グリーン長野農協元組合長 竹内守雄氏2025年7月9日
-
「不幸の書簡」とストックホルム症候群【小松泰信・地方の眼力】2025年7月9日
-
【アンパンマンはなぜ生まれたか】 ノンフィクション作家・梯久美子さん 第46回農協人文化賞特別講演2025年7月9日
-
7月21日、広島でトラクターデモ 令和の百姓一揆 欧米並みの所得補償求め2025年7月9日
-
【人事異動】農水省(7月10日付)2025年7月9日
-
【JA人事】JA上士幌町(北海道)高橋昭博組合長を再任(6月6日)2025年7月9日
-
【JA人事】JA筑前あさくら(福岡県)熊本廣文組合長を再任(6月26日)2025年7月9日
-
【JA人事】JAグリーン近江(滋賀県)大林茂松組合長を再任(6月21日)2025年7月9日
-
【JA人事】JA新得町(北海道) 組合長に太田眞弘氏を再任2025年7月9日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鳴戸部屋で兵庫の食材使用「ちゃんこ」を堪能 JAタウン2025年7月9日
-
健診施設機能評価認定更新 JA熊本厚生連2025年7月9日
-
JA鹿本のグリーンハウスミカン出荷順調 7月中下旬ピーク、総量130トン見込み2025年7月9日