第44回日本農業賞 受賞者決まる2015年2月2日
3月7日に都内で表彰式を開催
NHK、JA全中が主催する第44回日本農業賞の受賞者が決まった。個別経営の部、集団組織の部でそれぞれ大賞3件、特別賞1件、優秀賞3件、食の架け橋の部で大賞1件、優秀賞2件、奨励賞1件の計18件が受賞した。大賞、特別賞を受賞した計9件の表彰式は、3月7日15時半から東京・渋谷のNHKホールで行われる。
この賞は農業経営や技術の改善に取り組み、地域社会の発展に貢献した生産者などを表彰するもの。今回は「個別経営の部」90件、「集団組織の部」93件の応募があった。
「個別経営の部」で大賞を受賞したのは、岩手県で水稲・小麦生産とコメ加工品などを経営し年間1000人ほどの雇用を創出している(有)ファーム菅久の菅原久耕さん、愛知県でミニトマトを作り年商1億3000万円のにいみ農園を経営する新美康弘さん・みどりさん、宮崎県で肥育牛を飼養する(株)福永牧場の福永透さんが選ばれた。
福永さんは、全国和牛能力共進会去勢肥育牛の部で親子で2連覇するほどの高い技術力があり、口蹄疫からの復興を願う宮崎県の畜産会で消費拡大、ブランド確立などに大きな役割を果たしていることが評価された
「集団組織の部」では、福島県の南郷トマト生産組合、宮崎県の(農)きらり農場高木、JAそお鹿児島ピーマン専門部会の3団体が受賞した。
南郷トマト生産部会は消費地から遠く雪も多いという条件不利地でありながら50年にわたりトマトの産地化に取り組んできた。加入戸数122戸の1戸あたり平均売上高は750万円超になる。
きらり農場高木は、経営217ha、受託416haの県内トップの集落営農組織で、水稲、バレイショ、カンショ、サトイモ、ホウレンソウなどを団地化しブロックローテーションを行うなど、高度な輪作体系を構築している。正社員11人の平均年齢が47歳と若いのも特徴だ。
JAそお鹿児島ピーマン専門部会は、全国から新規就農者を募り、オイルショックなどを要因に存亡の危機に瀕していた産地を復興させたのが特徴だ。平成25年度の栽培面積は、オイルショック前のピークだった22.5haを上回っている。
このほか、消費者と生産者をつなぐ“架け橋”となる活動をたたえる「食の架け橋の部」では、島根県の山間の地域で高齢者のつくった農産物を集めて都市部のスーパーなどで販売している奥出雲産直振興推進協議会が選ばれた。
◇
第44回日本農業賞の全受賞者・団体は次の通り(敬称略)。
【個別経営の部】
○大賞
▽菅原久耕・(有)ファーム菅久代表取締役(岩手県岩手郡雫石町・JA新いわて)
▽新美康弘・みどり(愛知県碧南市・JAあいち中央)
▽福永透・(株)福永牧場代表取締役(宮崎県北諸県郡三股町・JA都城)
○特別賞
▽大友清康・(有)耕谷アグリサービス代表取締役(宮城県名取市・JA名取岩沼)
○優秀賞
▽遠井尚徳・優子(栃木県小山市・JAおやま)
▽坂斉邦造・(有)坂斉養鶏場代表取締役(埼玉県北葛飾郡杉戸町・JA埼玉みずほ)
▽松本好高(東京都国分寺市・JA東京むさし)
【集団組織の部】
○大賞
▽南郷トマト生産部会(福島県南会津郡南会津町・JA会津みなみ)
▽(農)きらり農場高木(宮崎県都城市・JA都城)
▽JAそお鹿児島ピーマン専門部会(鹿児島県曽於市)
○特別賞
▽JA愛知東和牛部会(愛知県新城市)
○優秀賞
▽JAフルーツ山梨いわで支所観光部(山梨市)
▽JA紀州みなべいなみ花き部会(和歌山県日高郡印南町)
▽JA西条春の七草部会(愛媛県西条市)
【食の架け橋の部】
○大賞
▽奥出雲産直振興推進協議会(島根県雲南市)
○優秀賞
▽(有)人と農・自然をつなぐ会(静岡県藤枝市)
▽JAおうみ冨士ファーマーズマーケットおうみんち(滋賀県守山市)
○奨励賞
▽すし工房なばな(三重県桑名市)
(関連記事)
・大賞にJA横浜 JA広報大賞(2015.01.22)
・「きずなを大切に」 全中作文・図画コン表彰式(2015.01.09)
・大賞に農事組合法人たねっこ、JA北つくば(2015.01.07)
・玖珠農高(大分)が優勝 みんなDE笑顔(2014.12.03)
・第43回日本農業賞決まる 3月8日に表彰式(2014.02.05)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日