玖珠農高(大分)が優勝 みんなDE笑顔2014年12月3日
全国の高校生が「農家や地域を笑顔にする」アイディアを競いあう「全国高校生みんなDE笑顔プロジェクト」(主催:JA全中)は11月23日、都内で決勝大会を開催。大分県立玖珠農業高校が優勝した。
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決勝出場の全6チームと審査員のみなさん
全国の高校生から「農」をテーマにしたさまざまなアイディアと実践活動を募集し、その成果を競い合う、この大会。平成21年にスタートし6回目となる今年は、昨年より1校多い116校157チームがエントリーした。
◆スギ樹皮使った新資材
優勝したのは大分県立玖珠農業高校・チーム野菜の「バークを中心とした循環型農業の展開?校内から地域へ?」。
同校がある大分県日田玖珠地域は日本有数のスギ産地だ。スギを材木にする際に剥がされた樹皮(バーク)は年間9万立方mを超えるが、まったく利活用されていないことに着目。バークの高い疎水性・保水性に着目して農林業用資材をつくり、地域循環型農場経営のモデル構築に取り組んだ。
実際にバーク堆肥を使った地元の野菜生産者からは、「非常に収量が上がった。(本格的に使えるようになる)来年が楽しみ」とのコメントがあった。また、この取り組みは、地元マスコミにも紹介されている。
審査員の佐藤淳氏(日本経済研究所常務執行役員)は、同校のプロジェクトを「農家だけでなく、林業や地域全体を笑顔にできる規模の大きなプロジェクトだった。来年順調に商業化できれば、日本の農業界に革命をもたらす画期的な成果をもたらすのではないか」と評価した。
発表したチーム代表の生徒らは「嬉しすぎて言葉が出ない」「一緒に研究してきたチームのメンバーに早く報告したい」と、受賞の喜びを語った。
準優勝には、京都府立海洋高校の京都海洋ひとみの(人海農)リサイクルズが選ばれた。天橋立の内海である阿蘇海や宮津湾で駆除されるヒトデを堆肥に変えて商品化した。現在はヒトデ堆肥が農作物の成長にどう影響するかを研究しているという。
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優勝した大分県立玖珠農業高校・チーム野菜
◆実現性・多様性に富むアイディア
大会全体について審査員からは、「以前はスイーツとか食べ物などに偏っていたが、近年の研究成果は多様性に富んできた。実現性にもあふれ、即、企業に提案できるような厚みのあるプロジェクトが増えた」(佐藤氏)、「決して単年度で終わる活動ではなく、長年地域で取り組んでいるものもあった。高校を卒業しても活動を続け、地元の農業を元気にしてほしい」(樋口直樹氏・JA全中広報部部長)などと講評した。
大会を主催したJA全中の谷口肇常務は、「地域や農家を元気にしようという、若い熱いエネルギーが満ちあふれていた。今大会でたくさん出されたアイディアが、地域だけでなく日本中を笑顔にするすばらしいプロジェクトに育ってほしいと願っている」と総評した。
◇
決勝に出場した6チームとプロジェクトタイトルは次の通り。
【東日本地区】
▽新潟県立新発田商業高校・芝商商業クラブ「芝 three 芝 show 『パワーリーフ』の知名度UPを目指して」
▽福島県立郡山北工業高校・北工Re笑顔「アブに苦しむ畜産農家と牛も笑顔に『アブDA農』」
【中日本地区】
▽京都府立桂高校・京の伝統野菜を守る研究班A「京の伝統野菜の新たな食文化の構築」
▽静岡県立藤枝北高校・米の花「天然糀菌による発酵文化の復活?米の花を紡ぐ物語 日本酒編?」
【西日本地区】
▽大分県立玖珠農業高校・チーム野菜「バークを中心とした循環型農業の展開?校内から地域へ?」
▽広島県立油木高校・笑顔広げるミツバチ姫チーム「獣害から新たな資源へ?農村の6次産業の可能性?」
プロジェクトの詳細やリポートなどは、同イベントの特設ホームページで公開されている。
(関連記事)
・東日本は新発田商業高校が優勝 みんなDE笑顔(2014.10.01)
・成田西陵高校(千葉)が優勝 みんなDE笑顔プロジェクト(2013.11.25)
・北海道美幌が優勝 高校生が活動する地域活性化プロジェクト JA全中が顕彰(2012.11.15)
・高校生が食と農で被災地支援 JA全中「みんなのよい食プロジェクト」(2013.01.30)
・被災地の食と農を盛り上げるプラン 7高校が受賞 JA全中(2013.01.16)
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