高校生が食と農で被災地支援 JA全中「みんなのよい食プロジェクト」2013年1月30日
JA全中はJAグループが取り組む「みんなのよい食プロジェクト」の一環として、高校生を対象に食と農に関わる地域おこし活動を顕彰する「全国高校生・みんなDE笑顔プロジェクト」を実施しているが、そのなかで東日本大震災の被災地と協力して復興を支援する「被災地コラボレーション部門」を募集してきた。 このほどJA全中会長賞など受賞チームが決まり、1月26日には東京都内で表彰式を行うとともに被災地への思いを込めて開発した加工品を高校生自ら販売する「被災地応援・高校生マルシェ」を開いた。
(写真)高校生のみなさんと応援に駆けつけたサンドウィッチマンの2人と藤田志穂さん
◆若い力で復興支援
高校生マルシェの会場は有楽町の交通会館。開会前から興味深そうに立ち止まる人も。熊本県立鹿本農業高校2年の杉谷沙耶さんが代表して開会の宣誓をした。
「被災地の方と協力をしてつくった商品が集まりました。それぞれの学校で学んでいることや自分たちで育てた作物、被災地の特産品と、たくさん思いが詰まっています」。
杉谷さんたちのグループ「Smile:Re」は昨年10月に名取市を訪問。閖上地区は住宅すべてが流されており「言葉を失いました」。 地元の笹かまぼこ工房で作り方を教えてもらい、熊本県在来種「みさを大豆」とのコラボレーション商品を開発した。前日にこのマルシェのための準備をしているとコラボ先の工房から熊本に「がんばってね」と電話があったという。
「応援していたはずの私たちが応援されていることに気づいた。今日はその優しさや思いに応えるためにがんばります」と話した。 この被災地とのコラボレーションの取り組みには全国59校83プランの応募があった。そのうち23校23プランが選抜されて実践され、その取り組みを審査した結果、JA全中会長賞に選ばれた7チームをはじめ「地域活性化プロジェクト」部門で受賞した高校も販売した。
サポーターとして会場にかけつけた「ノギャル」の藤田志穂さんは「被災地を支援しようという若い人たちがこんなにいることに感心した。若い人たちの力で元気と笑顔をつなげていければと思う」。と話したほか、東北出身のお笑いコンビ、サンドウィッチマンは「若いパワーは本当に力になる。ありがたいです」などと話した。
◆心によりそった活動を
受賞チームのコラボ商品は、いわき市の水産企業と連携したカジキバーガーや、会津野菜を使ったスイーツといった加工品のほか、仙台イチゴの栽培支援のために交配用のミツバチ飼育ノウハウを提供し、コスト削減と出荷に貢献する取り組みなどもある。
表彰式で審査委員の鵜飼尚美・宮城県大河原地方振興事務所農業振興部長は「被災地の方々が何を求めているか、一所懸命に考えたことが伝わってきた。被災者が失った大切なものを復活させ新たな宝物をみなさんはつくった。被災地に寄り添ったこの体験を伝える語り部になってほしい」と高校生たちに呼びかけた。
伊藤房雄・東北大学教授は「予想もしなかったコラボがあった。今回のプロジェクトに関わった人たちは未来の自分に出会えたのではないか。若い人たちと連携するという大人になってほしい」などと話した。
受賞者たちは「これからも被災地の人とともに笑顔で活動し支援を継続していきたい。参加できたことが誇り。まだまだできることがいっぱいある」。「たくさんの人に(この取り組みを)知ってほしい。後輩たちにも伝えていきたい」などを気持ちを新たにしていた。
(写真)表彰式のもよう
【被災地コラボレーション部門の全国農業協同組合中央会賞】
○北海道岩見沢農業高等学校(チーム名:みるみる倶楽部)
○宮城県小牛田農林高等学校(ランジェリーピンク)
○福島県立磐城農業高等学校(チーム磐農)
○埼玉県立秩父農工科学高等学校(秩父元気プロモーション)
○京都府立桂高等学校(京の伝統野菜を守る研究班B)
○広島県立油木高等学校(笑顔を広げるミツバチ姫チーム)
○熊本県立鹿本農業高等学校(Smile:Re)
(関連記事)
・北海道美幌が優勝 高校生が活動する地域活性化プロジェクト JA全中が顕彰 (2012.11.15)
・復興目指した23プランが実施決定 高校生が被災地とコラボ JA全中 (2012.07.23)
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