電力小売自由化で経産省に要望書提出 パルシステム2015年3月4日
パルシステム生協連は、政府による電力小売自由化へ向けた制度の検討に対して、3月3日、宮沢洋一経済産業大臣に要望書を提出した。
電力の小売自由化が2016年に予定されるなか、資源エネルギー庁の総合資源エネルギー調査会制度設計ワーキンググループ(WG)では制度の整備を検討しているが、これを受けパルシステム連合会は以下のような内容の「電力小売に係る消費者への説明・表示義務を求める要望書」を提出した。
WGの議論では「電力会社、料金メニュー、電源等を選びたいという需要家の様々なニーズに多様な選択肢で応えることができる制度に転換する」ための目的のひとつとして、小売電気事業者が消費者に対し、一定の情報を開示し説明することを義務付ける方針を掲げている。
これに対してパルシステム連合会は、消費者にとって検討内容が不十分と考え、発電構成や電気料金の費用内訳などについて、小売電気事業者の情報開示・説明・表示義務を要望した。
提出した要望書全文は以下の通り。
●要望書の全文●
現在、資源エネルギー庁における総合資源エネルギー調査会基本政策分科会電力システム改革小委員会制度設計ワーキンググループ(以下、WGという)においては、「電力会社、料金メニュー、電源等を選びたいという需要家の様々なニーズに多様な選択肢で応えることができる制度に転換する」ことを目的のひとつとして、小売電気事業者が消費者に対し、一定の情報を開示し説明することを義務付けることが議論されています。
消費者にとってWGにおける現時点の案では不十分である理由と小売電気事業者の情報開示・説明・表示義務の要望を以下に明記いたしますので実行してください。
【要望】
エネルギーも食料と同じように私たちの子ども達の未来に引き継がれるものです。化石燃料や原子力などの安全性や資源枯渇の問題があるエネルギーではない持続可能な循環型社会を実現できるエネルギーを選択できるよう、以下の事項をすべての小売電気事業者に表示すること。
さらにこれらの情報につきグラフなどを用いて分かりやすく表示することの義務付けを求めます。
(1)電力の種類の表示
・小売する電力の発電方法・発電種類(発電構成)
・小売する電力の発電において排出した二酸化炭素(CO2)の量、放射性廃棄物の量
(2)電気料金の費用内訳の表示
・託送料金
・使用済燃料再処理等引当金等の原発関連費用
さらに、表示の「方法・手段」、「頻度」などのあるべき姿についても、今後公開の場において消費者の意見を取り入れながら、丁寧に議論が行われることを要望します。
【理由】
消費者は料金だけを見て商品を選択するわけではありません。消費者のニーズに合わせた選択を可能とするためには、小売電気事業者が販売する電力がどのような電力かということを知る必要があります。
例えば、2014年3月に朝日新聞が全国世論調査で原発再稼働のアンケートを実施した結果、再稼働に「賛成」は28%で、「反対」の59%が上回りました。そのような民意にも関わらず、現政権のもと、今春にも九州電力川内原発(鹿児島県)が再稼働することが有力視されています。
全面自由化後、消費者がそういった意志を電力会社の選択に反映できる十分な情報を提供することが必要です。
消費者は自分の支払った電気料金がどのような発電のために費やされるのか等、その内訳を知ることは消費者の権利であると考えます。
また、消費者の選択のための情報の提供は、地域の再生可能エネルギーを選択することにもつながり、地方創生に基づく、雇用創出や地域経済を支援することにつながると考えます。 以上
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