【TPP】コメ、育児用調製品など15品目を関税撤廃2015年10月21日
農林水産省は10月20日、TPP交渉で重要5品目とした586の関税品目の交渉結果の内訳を公表した。
コメのタリフライン数は58。交渉で関税非撤廃としたのは43品目で15品目は協定発効から11年目までに関税撤廃される。15品目には、たとえば、食用・美容用油や健康食品原料に使われる「穀物の胚芽」がある。現在の17%を6年目で関税撤廃する。農林水産省によると現在の輸入量は世界全体から年間100t程度でTPP参加国からは10t~20t程度だという。
そのほか、水や牛乳で溶かす育児用穀物調整品も現在の24%、13.6%などの関税を11年目に撤廃する。これらの品目の輸入実績はないという。
関税は残すが削減する品目もある。
穀物加工品(粟粥など)は21.3%が6年目に75%削減し5.3%となる。この品目のTPP参加国からの輸入量は約130t(2011~2013年平均、以下同)。
そのほか一定の輸入量がある米の調製品13品目は関税を5~25%削減する。米粉調製品(加糖)は23.8%を6年目に25%削減し17.8%とする。TPP参加国からの輸入量は約1万6000t。無糖の米粉調製品は16%を4年目に15%削減し13.6%とする。輸入量は約4000tとなっている。
そのほか11品目は5%の即時削減とする。関税非撤廃の品目としては43品目だが、このうち関税削減される品目は14品目あることなる。
小麦・大麦では109のタリフラインのうち83品目が関税非撤廃。撤廃される小麦製品ではビスケットが6年目に無税となる。輸入量は全世界から2万1000tでTPP参加国からは8000tとなっている。マカロニ、スパゲティは1kg30円の従量税が9年目までに60%削減され同12円となる。輸入量は全世界から13万6000t、TPP参加国からは2万2000tとなっている。
そのほか重要品目では牛肉のタリフライン数51品目のうち7割以上が関税撤廃され非撤廃は14品目となる。豚肉も7割近くの品目で撤廃され非撤廃49品目が16品目となる。
TPP交渉参加に関する国会決議では重要5品目について「除外または再協議の対象にすること。10年を超える期間をかけた段階的な関税撤廃も含め認めないこと」とした。農水省によるとTPP交渉ではそもそも「除外や再協議というカテゴリーはない」交渉だったといい、全タリフラインについて交渉された。
その結果、重要5品目のタリフライン数586のうち、174品目は関税撤廃となった。非撤廃の412品目も関税削減される品目も多い。この交渉結果が国内農業にどう影響を与えるか、国会決議との整合性も含め、今後の検証と議論を生産現場は求めている。
【TPP重要5品目の586タリフラインの交渉結果】
○品目:タリフライン数→TPP交渉における非撤廃ライン数
○コメ:58→43
○小麦・大麦:109→83
○牛肉:51→14
○豚肉:49→16
○乳製品:188→157
○砂糖・でん粉:131→99
○合計:586→412
(関連記事)
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