安倍農政「悪い傾向」が8割-農政ジャーナリストの会2018年1月5日
食料・農業・農村政策をテーマとしているジャーナリストや研究者で構成する「農政ジャーナリストの会」は5年間の安倍農政を検証する会員アンケートを29年末に実施した。安倍農政への総合評価では「悪い傾向」が8割を占めた。
総合評価では「とても悪い」、「悪い」、「どちらかといえば悪い」の合計は全体の82%で「とても良い」、「良い」「どちらかといえば良い」の合計11%を大きく上回った。
項目別にみると「規制改革推進会議などの政策決定プロセス」について「悪い傾向」が93%、「良い傾向」が7%。政策決定に関して「不透明。各省庁に設置されている審議会等がまったく無視された決定は民主主義に反する」、「結果に対する説明が不十分で不誠実」、「結論ありき」など強い批判の意見があった。種子法廃止にも批判が出ている。
「農地中間管理機構、輸出促進、米生産調整などの施策」については「悪い傾向」が78%、「良い傾向」が8%だった。農地中間管理機構については「中間保有機能やマッチング機能がないままで、とくに中山間地域では無用の長物となっている」との意見があった。 「環太平洋連携協定(TPP)などの通商政策」については、「悪い傾向」が83%、「良い傾向」が17%だった。農産物への影響試算をめぐって、交渉開始前と決着後で差があることについては「説明が不十分」との意見があった。
「JA全農、JA全中などの農業協同組合の改革」については「悪い傾向」が74%、「良い傾向」が17%だった。農協自身の改革が不十分との指摘もあったが、「上からの改革という印象が強い。このため農協内部に守旧派、改革派という不毛な対立を招いた」、「農協改革は郵政民営化と同じようにJAバンクを狙っている感じ。一体、それで日本の農業は守れるのか」という批判もあった。 農政ジャーナリストの会は1956年設立。農業、農政に関心を持つ一般紙、専門紙誌、通信社、放送局、雑誌記者、編集者、フリーランス、研究者など個人会員と賛助団体で構成。会員は約300人。
(関連記事)
・過疎や棚田の継承を報道 農業ジャーナリスト賞(17.05.16)
・壊れているのは何か(17.12.06)
・自民党の農村離れ(17.11.13)
・勝ち馬に乗りて敗者の道を行くのか(17.10.25)
・それでもあなたは入れますか(17.10.18)
・不実愚曲の輩に言っておく(17.10.11)
重要な記事
最新の記事
-
食品関連企業の海外展開セミナー開催 現地のビジネス投資環境を紹介 農水省2025年5月14日
-
日本茶海外輸出に資する緑茶用新品種「せいめい」SOP公開 農研機構2025年5月14日
-
離農支援サービス「アトツギ」耕作放棄地再生で地域農業を活性化 唐沢農機サービス2025年5月14日
-
肥料設計セミナー 鹿児島県鹿屋市で開催 農機具王2025年5月14日
-
生産量日本一 茨城県産メロンの魅力発信「いばらきメロン品評会」開催2025年5月14日
-
新緑の秋田で田植え・山菜摘み体験 生産者と協同で知る産地の魅力 パルシステム東京・千葉2025年5月14日
-
春節向け青森県産りんご輸出2000t超 2024年度輸出量・輸出額は過去最高 日本農業2025年5月14日
-
使いやすさと性能を両立「三菱コンバインXC334」新発売 三菱マヒンドラ農機2025年5月14日
-
宮城・山元町発「ミガキイチゴ」大阪・関西万博で復興の歩み発信 GRA2025年5月14日
-
夏の定番アイテム「ハンディファン」大風量モデルをリニューアル発売 コメリ2025年5月14日
-
ローソン 愛知・岐阜・三重のご当地の味が楽しめる「東海の陣」計11品 順次発売2025年5月14日
-
キユーピーマヨネーズ 賞味期限を「年月表示」に変更 賞味期間の延長対象を拡大2025年5月14日
-
「中山間地域における水管理自動化に係る研究開発」委託事業に採択 ほくつう2025年5月14日
-
北毛エリアに環境配慮型の新拠点 渋川センター開所式開催 パルシステム群馬2025年5月14日
-
特定家畜伝染病発生時の畜体処理「移動式レンダリング装置」を落札 JET2025年5月14日
-
米の価格 18週ぶりに下落 5kg4214円2025年5月13日
-
37年ぶりの国主催の国際園芸博 国民全員が「農」を考える契機に(2)つなぐ「国民皆農」運動に 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年5月13日
-
農業犠牲の交渉 「到底受け入れられない」 全中が緊急要請決める2025年5月13日
-
【JA人事】JA北はるか(北海道)小林治雄組合長を再任(4月15日)2025年5月13日
-
【JA人事】JA魚沼(新潟)新会長に久賀満氏(4月26日)2025年5月13日