若手農家は20ha以上が6割-農水省分析2018年3月16日
農林水産省は29年度食料・農業・農村白書の骨子を3月14日の食農審企画部会に示した。白書では巻頭特集で次世代を担う若手農業者の姿を取り上げ、若手農業者がいる販売農家の経営構造分析を行っている。経営規模をみると若手農家は20ha以上が約6割を占めていることが分かった。
農水省は40代以下の若手農業者がいる販売農家を「若手農家」、いない農家を「非若手農家」として分析した。
2015年農林業センサスでは販売農家は132万9591戸。うち若手農家は14万675戸と1割だった。
販売金額別の戸数割合は非若手農家では「300万円未満」が82.8%を占めるが、若手農家では「1000万円以上」が45.2%だった(上グラフ)。経営規模別の面積シェアは非若手農家では「10ha未満」が79.7%を占めるが、若手農家では「10ha以上」が73.1%で「20ha以上」は59.5%と約6割を占めた(下グラフ)。
2005年から2015年までの動態をみると、若手農家では平均4.7haが7.1haへと経営面積が1.5倍増えていた(下グラフ)。稲作単一経営について2010年から2015年にかけての規模階層間の移動を見ると、非若手農家で高位階層に移動したのは14.5%だったが、若手農家は30.7%だった。稲作以外の部門でも若手農家ではこの間に20%~50%経営規模が拡大していた。
また、直近10年間で若手農家では常雇いを拡大させており、雇い入れた農家の割合は5.3%から12.6%へと上昇した。
そのほか、水田作と酪農について若手農家と非若手農家の投資効果も分析している。
それによると水田作の場合、機械や設備の投資規模を示す農業固定資産装備率が若手農家は非若手農家の1.2倍と高く、それによって10aあたりの労働時間は非若手農家の6割で済み、逆に農業所得は2.4倍になっていることが示された。酪農では農業固定資産装備率の差は1.9倍あり、搾乳牛1頭あたりの労働時間は非若手農家の73%となり、農業所得は1.1倍となった。
白書では経営構造分析を通じ若手農家では規模拡大とともに単位面積・頭数あたりの労働時間の短縮を図る投資が行われていることが確認されたとしている。
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