所得向上へ繋がるか? 市場法改正で説明会2018年4月16日
農水省は4月13日、さいたま市で卸売市場の一部を改正する法律案について、関東ブロックの説明会を開いた。一定の要件を満たすと、地方自治体以外でも開設できるようになり、取引方法も開設者が決定できるなどについて、「市場の公共性が保てるのか」「生産者の所得向上に繋がるのか」など、改正の意図を問う意見が出た。
卸売市場法改正案は今国会に提案され、審議に付される。これに合わせて農水省は4月に入って、全国ブロックごとに説明会を開いている。関東ブロックの説明会には青果物の開設者や卸、仲卸会社、JAなどの関係者約180人が参加した。
説明会では、卸売市場法とともに改正となる食品流通構造改善促進法の一部改正案を併せて、農水省食料産業局食品流通課の宮浦浩司課長が説明。
(写真)活発な意見交換が行われた説明。
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卸売市場の開設を、従来の認可制から認定制にする狙いについて、同課長は会場からの質問に答え、「卸売市場がなくても、事実上ネットで、卸売りが行われている。従って、従来の認可制は実態にそぐわなくなった」と、食料品流通の変化を挙げる。
改正案では、取引参加者に対して不当な差別的扱いをしない、卸売数量・価格を公表するなど、法で定めた共通のルーツを守れば、誰でも自由に開設できるようになる。これに対して、民間の運営になると、国民に安定して食料を提供するという公共性が損なわれるのではないかと危惧する意見が出た。
また、今回の卸売市場法改正は、政府の「農業競争力強化プログラム」の一つであり、その目的は生産者の所得向上にあるが、改正案でその成果が期待できるのかという疑問の声があった。
これに対して宮浦課長は輸出を例に挙げ、卸売市場法の改正で仲卸が市場を通さず、直接産地に求める直荷引が可能になり、「有機農産物などの海外輸出の拡大に繋がるのではないか」と、輸出拡大の可能性を示した。
さらに、食品流通構造改善促進法の改正で生産者所得向上が見込めるとした。同法は流通の効率化、品質・衛生管理の高度化、情報通信技術等の利用をうたっている。
このほか、現行の卸売市場法では、中央卸売市場に関し、その定義のなかに「都市及びその周辺の地域における生産食料品等の円滑な流通を確保するため...」とあるが、これが改正案ではなくなっている理由について質問があった。
開設が自由になることで、開設者と卸が同一会社というケースも出てくる。改正案では、農水省が開設者の指導および助言を行うというあるものの、卸に関してはその限りでない。「業務を区別して指導・助言ができるのかという」意見もあった。
さらに、仲卸は、卸売市場で卸売を受けた生鮮食料品等を当該市場内の店舗で販売する者のことだが、そのとき直荷引の品物の扱いはどうなるのか、などの質問があった。
同省は今月に入って全国で説明会を開いており、この後、沖縄ブロック(4月19日)、東北ブロック(4月23日)、九州ブロック(4月24日)で、それぞれ開催する。
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