「特A」に53点 愛知が「ミネアサヒ」で初の特A-令和2年産米 食味ランキング2021年3月5日
(一財)日本穀物検定協会は3月4日、令和2年産米の食味ランキングを公表した。特Aにランクされたのは53産地品種(元年産は54)で、愛知県が三河中山間の「ミネアサヒ」で同県初の特Aを取得した。
初の特A取得のうち、長崎の「なつほのか」は2年産で新規にランキングの対象となった産地品種。このほか、山形(庄内)「雪若丸」、埼玉(県北)「彩のきずな」、埼玉(県西)「彩のきずな」、愛知(三河中山間)「ミネアサヒ」、鳥取「コシヒカリ」の6産地品種だった。
53産地品種のうち、元年産でA、またはA'だったのは14産地品種。一方、元年産で特Aだったが、今回Aに移行したのは15産地品種あった。そのほか「A」に評価されたのは77産地品種(元年産は73)、「A'」に評価されたのは昨年から4産地品種減の24産地品種となった。「B」と「B'」は元年産と同様のいずれも該当なしとなった。
食味ランキングの対象産地品種は道府県の奨励品種であることや、作付面積が一定の基準を満たすなどで選定している。白飯の「外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」の6項目について、複数産地コシヒカリのブレンド米を基準米とし、同協会が選抜、訓練した専門の食味評価員20名が評価する。基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、基準米とおおむね同等なものを「A'」、やや劣るを「B」、劣るを「B'」としている。
2年産水稲の全国農業地域別の作柄は、北海道、東北、北陸では全もみ数が確保され、登熟も順調に推移したことから作柄が平年を上回った。一方、東海以西ではトビイロウンカの被害や登熟期の日照不足で登熱が不良となったことに加え、九州地方では台風の影響もあり、作柄が平年を下回り、作況指数は全国平均99の平年並みとなった。ただ、作柄が食味にどう影響するかは一概に言えず、作況指数81だった佐賀は「さがびより」が11年連続、「夢しずく」が4年連続で特Aを取得した。一方、秋田の「あきたこまち」は23年産以来となる特A取得とならなかった。今回「特A」の産地品種を取得したのは32道県で、品種別では24品種となり、このうち「コシヒカリ」が16産地と圧倒的に多かった。
また、新規に食味試験の対象とした産地品種は富山「富富富」で評価はA、長崎「なつほのか」は特A、大分(北部)「つや姫」はA、大分(東部)「つや姫」はAを取得している。
日本穀物検定協会は特Aが増えていることについて、各県で良食味米の品種開発が積極的に行われていることに加え、肥培管理の徹底や一定の要件を満たす生産者に栽培を限定している県の戦略などが要因ではないかと推測。各県の特A取得に向けた取り組みが定着しており、新たなランク設定や基準変更などを検討する考えはないとしている。
なお、食味ランキングの対象ではないが産地からの要望で食味試験を3産地品種で実施した。群馬(東毛)「いなほっこり」が特A、鳥取「星空舞」はA、愛知「なつきらり」はA'のランクだった。
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