ウンカ昨年より40日早い飛来 早期防除徹底を 静岡県2021年6月11日
静岡県病害虫防除所は6月9日、令和3年度技術情報第3号「水稲 トビイロウンカ」を発表した。同県への水稲のウンカ飛来が例年より早く確認されたことから、ウンカの注意喚起と防除の徹底を呼びかけている。
トビイロウンカ(左:長翅型成虫、中央:短翅型成虫(雌)右:幼虫)
5月23日に県内4カ所(島田市中河、磐田市加茂、磐田市五十子、浜松市西区)に設置している水稲予察灯のうち、磐田市加茂の水田の予察灯で、トビイロウンカの初誘殺が確認された。
その後、5月25日に磐田市富丘の畑に設置された予察灯、6月5日にも同じ水田の予察灯でいずれも各1頭の誘殺を確認した。同県での初誘殺は平年7月上旬頃だが、今年はそれより1カ月以上早く、ウンカによる坪枯れ被害が多発した令和2(2020)年より約40日早くなっている。
今年は、東海地方で5月16日頃に平年(6月6日頃)に比べ、21日早く梅雨入りした。このため、梅雨前線に伴う中国大陸からの下層ジェット気流に乗って、ウンカの飛来が早まっている。気象庁が発表した6月5日~7月4日の1カ月予報によると、気温は平年より高く、降水量は少ないと予報されている。
同防除所では、梅雨明け後の気温が高く、降水量が少ない気象条件が整うと、ウンカの増殖を助長するおそれがあるため、今後病害虫防除所から発表される発生状況等の情報に留意するよう呼びかけている。
日本植物防疫協会が運用する会員制サービス「JPPネット有効積算温度シミュレーション」によると、5月23日の飛来を起点とした磐田市の第1世代若齢幼虫の発生時期は6月中~下旬頃と予測している。
防除対策では、今後移植を行う場合はウンカに効果の高い薬剤(トリフルメゾピリムなど)の含まれる育苗箱施用剤を使用する。
移植を終了したほ場で、ウンカに効果の高い薬剤の含まれる育苗箱施用剤を使用していない場合は、まず発生状況を確認する。そして、発生を確認した場合は、同時期に他のウンカ類の防除と併せて、速やかに本田防除を行う。防除の際は、ウンカの生息部位である株元に薬剤が十分到達するように留意する。
薬剤等の詳細については、静岡県農薬安全使用指針・農作物病害虫防除基準を確認し、不明な点は病害虫防除所および農林事務所などの指導機関に問い合わせる。
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