アニマルウェルフェアで国が指針策定-農水省2022年1月28日
農林水産省は1月27日、第1回「アニマルウェルフェアに関する意見交換会」を開き、家畜の飼養法などで求められるアニマルウェルフェアについての指針を国が策定していく方針を示した。
この意見交換会は、吉川元農相とアキタフーズの秋田元代表が養鶏・鶏卵行政をめぐる収賄容疑で起訴されたことを受けて農水省が設置した委員会(養鶏・鶏卵行政に関する検証委員会)が2021年6月に提出した報告書で、アニマルウェルフェアについて最新の科学的知見や、国際動向、関係業界の動向などもふまえて対応していくべきとの提言されたことを受けて設置された。意見交換会は非公開で開催された。
家畜のアニマルウェルフェアについては、畜産技術協会が飼養管理指針として示している。家畜の健康を保つために家畜の快適性に配慮した飼養管理を生産者が意識して実行することが必要だとされている。具体的には毎日の観察や記録、家畜の丁寧な扱い、良質な飼料や水の給与などによって、家畜の能力が引き出され家畜が健康になり、生産性の向上や畜産物の安全につながる。
アニマルウェルフェアについての基本的な考え方は、農水省が畜産振興課長通知として示し、各畜種ごとの指針は畜産技術協会が作成している。
この日の意見交換会で農水省は各畜種ごとの指針も国が策定していく方針であることを明らかした。国が策定することによって現在の飼養管理指針と「ドラスティックに変わることはない」が、国の指針とすることでより積極的に推進することになるとの考えを示した。
委員からは国が指針を示すことは望ましいとの意見が出たほか、外食産業など食品業界からは、今後、アニマルウェルフェアを畜産物の新たな価値として売り出す可能性もあるとの考えも示された。
一方、学識者からは生産者にとってはコスト上昇にも結びつく問題であり、アニマルウェルフェアの取り組みを促進するには、これを応援する消費者の理解が欠かせないとの指摘もあったという。
委員には畜産生産者、学識者、全農、生協、食品・外食産業などから25名が選ばれている。会合は年数回を予定。この日の意見をふまえて農水省は指針の策定を進める。
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