きゅうりのべと病 北関東、東海などで多発 農水省 病害虫発生予報10号2022年3月10日
農水省は3月9日、病害虫発生予報第10号を発表した。野菜類では、きゅうりのべと病の発生が、北関東、東海、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想されている。
各作物の詳細は以下の通り。
◎水稲
・トビイロウンカは、その年の気象条件や飛来量によっては大きな被害を引き起こす。この虫による被害の発生が懸念される地域では、効果の高い育苗箱施用剤による防除の実施についても検討を。
・昨年、いもち病、もみ枯細菌病、ばか苗病等の種子伝染性病害の発生が多かった地域では、種子消毒を的確に行い、健全な苗の育成に努める。特に、いもち病では、一部の薬剤において感受性の低下が見られるため、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に、効果の高い薬剤を選定し種子消毒を実施する。
また、塩水選や温湯消毒といった物理的防除を実施する場合には、消毒効果を確実に得られるよう、病害虫防除所等が示す手順・方法に沿って適切に実施する。
・縞葉枯病は、ヒメトビウンカによって媒介されるウイルス病であり、経卵伝染するため、この虫を対象とした防除を実施することが重要。近年、発生が増加傾向にある地域では、越冬量を抑制するため、冬期間中にイネ科雑草の除去と再生株(ひこばえ)のすき込みを行うことが効果的。未実施の地域では速やかに実施する。また、近年、同ウイルスを保毒している虫の割合が高まっている地域では、育苗箱施用剤による防除の実施についても検討する。
・スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)は、昨年多発生となった地域では、多くの貝が越冬しているおそれがある。今春の被害を抑えるため、移植前に取水口・排水口にネットや金網を設置するとともに、水田内の発生が多い場合には石灰窒素の散布の実施を検討する。また、移植時は薬剤散布を実施し、移植後は水深を4cm(理想は1cm)以下に維持する浅水管理を実施。
なお、スクミリンゴガイは、農機具・機械に付着した泥とともに他のほ場へ拡散することがある。発生ほ場で使用した後は泥をよく落としてから移動させるよう心がける。
◎野菜・花き
いちご
・アザミウマ類の発生が、東海及び南九州の一部の地域で多くなると予想される。この虫は、作物を加害するほか、多くの病原ウイルス病を媒介することが知られている。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。
なお、この虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。また、農薬散布だけでなく、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討する。
きゅうり
・コナジラミ類の発生が、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想されている。この虫は、作物を加害するほか、多くの病原ウイルスを媒介することが知られている。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。
なお、この虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。また、農薬散布だけでなく、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討する。
・べと病の発生が、北関東、東海、四国及び南九州の一部の地域で多くなると予想。同病は葉のみに発生し多湿条件で発生が助長され、多発すると葉が枯れ上がることにより減収につながる。施設栽培では、換気等により施設内の湿度管理を行うとともに、発生状況に応じて都道府県の発表する発生予察情報等を参考に、適期に防除を実施する。
トマト
・コナジラミ類の発生が、北関東、東海及び四国の一部の地域で多くなると予想。この虫は作物を加害するほか、多くの病原ウイルス病を媒介することが知られている。発生密度が高くなってからでは防除が困難となるため、ほ場の観察をきめ細かく行い、発生初期に防除を実施する。
なお、この虫は薬剤抵抗性が発達しやすいため、都道府県の発表する発生予察情報等を参考に同一系統薬剤の連用を避けるなど、薬剤を適切に選定する。また、農薬散布のみならず、天敵による生物的防除等の各種防除手段を組み合わせた防除の実施についても検討する。
・葉かび病の発生が、北関東、東海及び四国の一部の地域で多くなると予想。同本病は、多湿条件で発生が助長されるため、施設栽培では、換気をする等の湿度管理や伝染源となるり病部の早期除去を実施する。
なお、一部の薬剤に対して耐性菌が発生しているため、薬剤防除を実施する際には、同一系統薬剤の連用を避けるなど薬剤を適切に選定する。
◎果樹・茶
果樹・茶共通
・果樹・茶では、病害虫防除を効率的かつ効果的に実施するため、春期の病害虫の発生を抑制することが重要。感染落葉やり病部を除去し園外に持ち出すなど、適切に処理する。また、都道府県から発表される発生予察情報等を参考に、薬剤防除を的確に実施する。
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