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【浜矩子が斬る! 日本経済】タコ市首相初の所信表明に慄く 国民より国家優先鮮明2025年11月10日

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高市早苗首相の所信表明演説を通読した。筆者はこの人をタコ市さんと命名した。毒性の強い触手を四方八方に伸ばしてきそうな気配があるからだ。タコ市初の所信表明演説を読んで、改めてこのイメージが強まった。前回の本欄で懸念を語らせて頂いた諸問題が、具体的な文言となって姿を現した。最も気になったフレーズに従ってみていく。

エコノミスト 浜矩子氏_sumエコノミスト 浜矩子氏

まずは、「日本再起を目指す」という言い方が「始めに」の中に出て来た。これは、タコ市首相の親分だった故安倍晋三元首相の「日本再興戦略」を踏襲したモチーフだ。その次に出て来たのが「国家国民のためならば、決してあきらめない」という決意表明だ。この「国家国民」という表現が実に引っ掛かる。日本は国民国家だ。近代的国民国家において、国家は国民に奉仕するために存在する。それなのに、なぜ「国家」が先に来るのか。国民は国家に従属すると言いたいのか。

「経済政策の基本方針」の項では、まず「何をするにしても、『強い経済』をつくることが必要です」と宣言している。さらには「『経済あっての財政』の考え方を基本」として「戦略的に財政出動」を行うと言い切っている。元来、財政は国民のためのレスキュー装置だ。国民生活が窮地に陥るようなことがあれば、その時こそ、直ちに「出動」しなければならない。それが出来るためには、財政状況は常に健全でなければならない。それとは遠過ぎるほど遠い日本の財政事情を承知の上で、「戦略的財政出動」などという表現を持ち出すのは、やはり国家のためであり、国民は二の次だといわんばかりだ。

しかも、この「戦略的財政出動」によって「所得を増やし、消費マインドを改善し、事業収益が上がり、税率を上げずとも税収を増加させることを目指します」と言い放っている。何というご都合主義。それもさりながら、この一連の言い方の中には、日本経済を「戦略的財政出動」バブルに引きずり込んで行こうとしている気配を感じる。タコ市首相の触手が繰り出すバブル音頭に踊らされてはならない。

物価対策の項で気になったのが、「物価上昇を上回る賃上げが必要ですが、それを事業者に丸投げしてしまっては」いけないと言っていることだ。「継続的に賃上げできる環境を整えることこそが、政府の役割」だそうである。何をたくらんでいるのか。

大いに警戒感を刺激したのが「危機管理投資」という言葉だった。その対象となるのが、「AI、半導体、造船、バイオ、航空・宇宙、サイバーセキュリティ等の戦略分野」だという。これら分野の増強に向けて官民挙げて取り組むのだと謳(うた)いあげた。確かに、いずれも戦略性が強い分野だ。それだけに、その強化に関する前のめり姿勢にきな臭さを感じる。

これら戦略分野を大いにプロモーションし、「新技術立国」を目指すのだという。それはそれで結構ではある。だが、その次に来たのが、「成長戦略を加速させるためには、金融の力が必要です」という文言だった。「『資産運用立国』に向けた貯蓄から投資への取り組みの成果に基づき、金融を通じ、日本経済と地方経済の潜在力を解き放つための戦略を策定し、」これまた「官民連携で取り組んで」いくと言っている。技術と金融の表裏一体性がもたらす強さ。それを官民一体で追求する。タコ市的触手が威勢よく舞い狂う。

タコ市踊りが威勢よく盛り上がり、触手の動きが派手になればなるほど、国家が前面に出て、国民が後景にしりぞくことを強いられる。この有様が、タコ市所信を読み進めば読み進むほど強まり、深まるばかりだった。

強さと大きさと稼ぐ力。この3点セットをあくなく追求するタコ市の舞の中に、弱者救済のモチーフが入り込む余地はない。格差にも貧困にも、この所信表明は一切、言及していない。恐れ慄(おのの)く怖い所信が表明された。

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