米輸入めぐるウルグアイ・ラウンド(UR)交渉 過度な秘密主義に閣僚も「恥」 1993年外交文書公開2024年12月27日
外務省が公開した1993年の外交文書から、ガット(関税貿易一般協定)のウルグアイ・ラウンドでの米輸入をめぐる交渉での日本政府の徹底した秘密主義が浮かんだ。国内各方面の「修文要求」や国会の「不当な介入」を避けようと、ガット事務局がオープンにした合意文案まで隠そうとしていた。
外務省が1993年の外交文書を公開
外務省は12月26日、1993年の日本外交に関する文書約4400ページを公開した。同省ホームページからタイトル、概要、全文が閲覧できる。そこには、ガットのウルグアイ・ラウンド(UR)で焦点だった、米の輸入をめぐる内外の緊迫したやりとりが生々しく記録されている。
「秘密 無期限」文書に記された閣僚懇談会の議論
1993年は細川護熙連立政権で、社会党(当時)が最大与党だった。交渉の大詰め。UR合意書案が提示された直後、1993年12月11日に開かれた閣僚懇談会の「概要」をまとめた文書には、右上に「秘 無期限」のスタンプが押されていた。
武村官房長官の冒頭発言に続いて、外務省経済局長がUR交渉について説明。その後、質疑が交わされた。
佐藤観樹自治大臣は「米国はスーパー301条(米国が不公正と決めつけた国に個別に報復する条文)をやめるのか」「コメの備蓄は1年ももたない。食糧安保をどう考えているのか」と核心を衝く質問。経済局長は「301条が残ってもガットの新たな規則に従わなければならない」「備蓄は、古いコメを食べることについてコンセンサスが得られるか」などと答えた。
経企庁長官が「恥をかいている状況」
久保田真苗経済企画庁長官は「案文の中身を知らず、国民にも説明できず、恥をかいているような状況である」と吐露し、「6年後に関税化しない場合、追加措置はどうなっていくのか?」と問うた。農水省の局長は「7年目以降については、その時の交渉に委ねられている」とした。
佐藤氏も久保田氏も社会党(当時)所属。細川首相は「URは外務大臣の所掌の問題であり、決断も『外務大臣の報告に対し了承する』ということであり、閣議決定という性質のものではない」ととりなした。
政府が隠す文書、ガット事務局が開示
その4日後、ガット貿易交渉委員会で「最終合意文書」が採択された。形式上「秘扱い」とされながらも、ガット事務局はプレスに配布。隠している文書が出回っているらしいと知った外務省は、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部に対し、なぜ出回っているのか「大至急」回答を求めた。
代表部がガット事務局広報官に確認したところ、すでにプレスに配布していた。ジュネーブ駐留の邦人プレスの一部も、すでに入手していた。
「国内の修文要求」「国会の介入」恐れる
外務省では慌てて「UR(最終合意文書案の配布取扱い)」と題する「決裁書」を回し、最終合意文書案の扱いを検討する。ガット事務局がすでに公開していることから「不公表の理由付けが困難」とし、国会関係者、プレス等の入手要請に対し「必要最小限に限られるよう配慮」しつつ配布をしぶしぶ認めた。
だが「決裁書」には、「仮に現段階で本文書を公表する場合には、交渉中ということもあり、国内各方面から種々の修文要求が提起され、収拾がつかなくなる虞(おそれ)があるほか、ひいては憲法上内閣の行政事務とされている条約締結行為に対し立法府等の不当な介入を招くおそれなしとしない」などと、政府の本音が記されている。
当時国会は、米輸入に反対する決議を3回あげていた。
6年後には関税化
日本政府は同年12月、米関税化を6年先送りにする代わりにミニマム・アクセス(MA、最低輸入機会)を認め、1999年4月に関税化した。MAも備蓄の運用も、当時からの問題が今日に引き継がれている。
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