IPM、農家の我慢が大事 日植防シンポジウム2013年9月20日
日本植物防疫協会(日植防)は9月19日、東京・神保町の日本教育会館でシンポジウム「転機に立つ国内農業と植物防疫の展開方向」を開催した。JAグループ、農薬メーカーなど400人以上が参加した。
シンポジウムでは、JA全中の大西茂志常務理事が講演。1990年以降、農業生産額が減少し続け、それにともない対GDP比も下がってきたことを紹介し、「もっともデフレの影響を受けたのは農業」だとして、デフレ経済から脱却し緩やかなインフレをめざすといういまの政策に理解を示した。
一方で、今後の日本農業の展開方向として、JAグループの「新農政に関する提言」を例にとり、日本型の直接支払制度の確立や、需要に応じた主食用米の計画生産と不足気味の非主食用米の増産への取り組みが大事だ、などと訴えた。
そのほかの講演では、農研機構中央農業総合研究センター病害虫研究領域長の本多健一郎氏が、「今後求められる病害虫防除技術」として「低コストで安定的な総合的病害虫管理(IPM)体系の構築が必要だ」と強調。IPMについては、後半のパネルディスカッションでも話題にあがり、「天敵や物理的防除の導入によって、実際にコストは下がり、重労働も減らすことができる。生産者が農薬を使わないよう、我慢できるかどうか、それを指導できるかどうかが課題」だとの意見が出た。
日本農薬(株)取締役常務執行役員の細田秀治氏は、「世界の農薬マーケットの展望」をテーマに講演。日本の農薬メーカーの開発力は欧米のマルチナショナル企業にもひけをとらないとして、「ますます農薬技術を磨き、日本農業の発展に貢献したい」と述べた。
(写真)
パネルディスカッションに登壇した講演者ら(中央左から)大西氏、本多氏、細田氏、大友哲也氏(農水省消費・安全局)
(関連記事)
・日植防が総会 創立60周年記念誌を発行(2013.06.14)
・販売価格への反映が難しい環境保全型農業 日植防シンポジウム(2013.01.22)
・薬剤抵抗性は生産コスト増大につながる 地域連携で対策を 日植防シンポジウム(2012.09.13)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年9月19日
-
【サステナ防除のすすめ2025】秋まき小麦防除のポイント 除草とカビ対策を2025年9月19日
-
農業土木・鳥獣対策でプロフェッショナル型キャリア採用 課長級の即戦力を募集 神戸市2025年9月19日
-
脱炭素時代の国際基準を日本で実装 小売業や生産資材の参画を拡大へ 農林中金「インセッティングコンソーシアム」2025年9月19日
-
(453)「闇」の復権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月19日
-
「1粒1粒 愛をコメて」来年産に向けた取り組み 令和7年度 水稲高温対策検討会を開催 JA全農ひろしま2025年9月19日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」熊本市で27日に開催2025年9月19日
-
「長崎県産和牛フェア」東京・大阪の直営飲食店舗で開催 JA全農2025年9月19日
-
大阪・関西万博で「2027年国際園芸博覧会展 未来につなぐ花き文化展示」開催 国際園芸博覧会協会2025年9月19日
-
東京科学大学と包括連携協定を締結 農研機構2025年9月19日
-
素材のおいしさ大切に 農協シリーズ「信州あづみ野のむヨーグルト」など新発売 協同乳業2025年9月19日
-
オートノマス水素燃料電池トラクタを万博で初披露 クボタ2025年9月19日
-
農業の未来を包装資材で応援「第15回 農業WEEK」出展 エフピコチューパ2025年9月19日
-
東尋坊から「崖っぷち米」大手スーパー「ベルク」と直取引で関東圏初進出 福井県坂井市2025年9月19日
-
京橋千疋屋と初コラボ 完熟キウイで「2色のゼスプリキウイ杏仁パフェ」登場 ゼスプリ2025年9月19日
-
まるまるひがしにほん「栃木のおいしさ発掘便」開催 さいたま市2025年9月19日
-
おいしい「ぶどう」日本一は長野県須坂市の横山果樹園「ピオーネ」 日本野菜ソムリエ協会2025年9月19日
-
農業用ビニールハウスの品質が評価「優秀FDI企業トップ20」などに選出 渡辺パイプベトナム2025年9月19日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2025年9月19日
-
宅配事業に新しい形「ナイトチア クロセチン&セラミド」など新発売 雪印メグミルク2025年9月19日