農家・生産者の目線に立った活動を シンジェンタ中央研究所をみる2016年7月6日
シンジェンタはグッド・グロース・プランと題し、6つのコミットメント(約束)を掲げ、2050年には90億人になるといわれる人口増加などの諸問題から起きる地球規模での食料問題への貢献に取り組んでいる。そういった活動への理解を得るための一助として、6月25日 茨城県牛久市内の中央研究所にて一般市民を招き見学会を開いた。
◆積極的な地域住民とのふれあい
見学会はJR常磐線牛久駅から20分ほどマイクロバスで行ったところにある中央研究所で開かれた。来場者はおよそ250名で賑い、子供からお年寄りまで幅広い年齢層の方が来場したが、子供連れが多く賑わっていた。
見学会はいくつかのコーナーに分かれており、その中の一つでは、普段とっつきにくい遺伝子の話について、研究所のスタッフが来場者とふれあい、一緒に考え、クイズを解くなどした。その他のコーナーではレタスやキャベツ、ズッキーニなどの試験圃場で実際の病害虫や野菜に触れ、トマトのハウスでは、来場者に試食してもらい、本物の野菜とふれあいながら理解を深めてもらっていた。
帰りにはシンジェンタの種から取れたリーフレタス、ミニトマトや花の苗などがお土産としてプレゼントされた。
◆日本の環境に適した農薬の試験・開発
シンジェンタは研究開発に力を入れており、世界各国に合計5000人を超える研究開発部員がおり、年間売上のうち約10%を研究開発費に投資している。
中央研究所では日本向けの新規農薬の開発や、農薬の登録に向けた試験、また、海外で作った農薬の形状や性質が日本の環境に適したものになっているか、農薬の試験圃場としての役割を果たしている。
その他水稲の実験圃場として、実際の生産現場に近い条件下での試験が日々行われている。また、見学会について研究所の職員は、「昨年から始めたが、来場者からは研究所の実態がよくわかって安心できた、と非常に好評で、回を追うごとに参加者も増えているので今後も続けていくつもりだ」と語った。
◆キーワードは「農家と共に生きる」
シンジェンタは下記の6つのコミットメント(約束)を基にして世界規模の食料問題を解決すべく活動している。
1.作物の生産効率向上 2.農地の肥沃化 3.生物多様性の促進 4.農業従事者の安全確保 5.小規模農家の支援 6.全ての働き手への配慮
これらのコミットメントに対して、様々なプロジェクトを立ち上げ、2015年までに既に一定の成果を出しており、その進捗状況はシンジェンタのHPで報告している。その中の一つとして、山梨県甲府市では耕作放棄地のお花畑化プロジェクトを立ち上げている。これは大学のミツバチ研究センター、種苗会社、養蜂家、甲府市農業委員会などの協力により、ハチなどの訪花昆虫の生息地と蜜源を確保するものだが、耕作放棄地が増えて蜜蜂の生息地が減った放棄地を花畑化することで、蜜蜂の生息地確保と、花畑の増加による地域の活性化が狙いだ。
シンジェンタはこれまでの進捗状況をデータの信頼性を確保するために第三者機関の厳正な評価を通じて、それぞれのコミットメントに対して自らに責任を課し、毎年進捗状況を報告していく、とした。
(写真)中央研究所のハウストマト(スプラッシュ)
重要な記事
最新の記事
-
不測事態の食料確保、スマート農業法など3法案 衆院で審議スタート2024年4月25日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年4月25日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年4月25日
-
【注意報】ウメ、モモ、などに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 和歌山県2024年4月25日
-
【特殊報】キュウリに「キュウリ黄化病」府内で初めて確認 京都府2024年4月25日
-
電動3輪スクーター「EVデリバリー」JA豊橋に導入 ブレイズ2024年4月25日
-
ほ場作業の約9割を自動化するオートコンバイン「YH6135,A7135,A」発売 ヤンマー2024年4月25日
-
むらぐるみの共同労働【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第288回2024年4月25日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「農村は国の本」~焚書として消された丸本彰造著『食糧戰爭』が復刻された2024年4月25日
-
【JA人事】JA水戸(茨城県)新組合長に園部優氏(4月21日)2024年4月25日
-
【人事異動】フジタ(4月1日付)2024年4月25日
-
米麦水分計PB-Rを新発売 ケツト化学2024年4月25日
-
全国の小学校・児童館に横断旗を寄贈「7才の交通安全プロジェクト」こくみん共済 coop2024年4月25日
-
自然とふれあう農業体験 伊勢崎市で27日に開催 パルシステム群馬2024年4月25日
-
野菜の鮮度保持袋で物流2024年問題解決へ「JAGRI KYUSHU」に出展 ベルグリーンワイズ2024年4月25日
-
粉末化でフードロス解決に挑戦 オンラインセミナー開催 アグリフューチャージャパン2024年4月25日
-
長期保存食「からだを想う野菜スープ」シリーズ新発売 アルファー食品2024年4月25日
-
生産者と寄附者が直接つながる「ポケマルふるさと納税」が特許取得 雨風太陽2024年4月25日
-
焼けた香りや音に満足感「パンの食習慣」アンケート実施 パルシステム2024年4月25日
-
埼玉県産いちごの魅力を伝える「いちごソング」が完成2024年4月25日