農業分野で世界のリーダーに 独バイエル2018年度決算2019年3月8日
ドイツ・バイエル社は2月27日に決算発表を行い、会社史上最大の買収を成功裏に完了し、また2018年の業績目標を達成したと発表した。
ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、レバクーゼンで行われたこの決算発表で「私たちは、将来に向けて、正しい道筋を定めました」と述べた。それは2018年のグループの売上高および利益が増加したからだ。為替およびポートフォリオの影響調整後では、クロップサイエンス部門および医療用医薬品部門が前年比で売上高が増加。一方、コンシューマーヘルス部門の売上高は前年と同レベルであったからだ。バウマン社長は、「私たちはこの数年にわたり、医療および農業分野のメガトレンドに明確に合致し、かつバイエルという強力なブランドの下に統一された、ライフサイエンスを中核とする企業を目指して組織的に進化してきました。農業分野における買収は、私たちを同市場でNo.1の地位に押し上げました。2社の統合は素晴らしいスタートを切りました」とモンサント社買収が大きな成果をあげたと述べた。
◆農業関連分野は買収で売上高と利益が大幅に増加
農業関連事業(クロップサイエンス部門)で、バイエルは142億6600万ユーロの売上高を記録した。買収した事業は、このうち約53億ユーロを占める。一方、BASF社に売却した事業は、2018年8月に各取引がクロージングとなる前に、15億ユーロの貢献をもたらした。売上高は為替およびポートフォリオ調整後ベースで6.1%増加したが、これは主に、ブラジルにおいて農薬製品の在庫が正常化した結果である。ブラジルでは、この関連で必要となった対策により、前年の事業が影響を受けていた。売上高はアジア・太平洋地域および北米地域でも上向いた。バイエルは、売却した事業に関連するBASFとのサービス契約 - 特に製品供給・販売契約 - からも利益を受けている。ヨーロッパでは、不利な天候条件と、特定のシードグロース(種子処理)製品に影響を与えるフランスの規制変更により、売上高が減少した。
クロップサイエンス部門の売上高は、モンサント買収とそれに関連する事業売却が2017年1月1日付ですでに行われていたと仮定して売上高を提示した試算ベースでは、3.1%増加した。これは、除草剤、殺菌剤、殺虫剤ならびにトウモロコシ種子と形質における成長によるものである。一方、大豆種子および形質の事業は前年と同レベルであった。
◆グリホサポート関連訴訟には力強く弁護していく
2019年1月28日現在、農薬製品のグリホサートに関連して、米国で約1万1200名の原告から訴訟が提起されているが、バウマン社長は「私たちは、ジョンソン裁判における第一審裁判所の判断に不同意であり、したがって上訴しました」と述べた。また、その他の訴訟(そのうち7件は現在、今年中に予定されている)についても「当方には科学の裏付けがあり、現代の持続可能な農業にとって重要かつ安全なこの除草剤を引き続き力強く弁護し続けていきます」と付け加えた。
(関連記事)
・いもち病・初期害虫に効果「ルーチンコア箱粒剤」販売開始 バイエル(19.03.05)
・ネコブセンチュウとコガネムシを同時防除 「ビーラム(R)プラス粒剤」販売開始 バイエル(19.02.08)
・バイエルの野菜種子事業買収も完了 BASF(ドイツ)(18.08.22)
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