FMC次期社長に平井氏 披露パーティ開催2019年5月22日
エフエムシー・ケミカルズ(千代田区大手町)の日本代表交代披露パーティーが20日、都内のホテルで行われ、農薬業界など約120人が出席し新たな門出を祝福した。
次期社長に就任する日本代表の平井康弘氏
同社では、4月1日付で平井康弘氏が日本代表に就任。4月26日の取締役会、5月31日の臨時株主総会を経て、正式に代表取締役社長に就任する。なお、現社長の後藤周司氏は5月31日をもって退任する。
これに先立って行われた日本代表交代披露パーティーでは冒頭、FMC北アジア地域ビジネスディレクターでFMCチャイナのトレーシー・ウー氏があいさつ。「平井さんが後継者として会社に入ることを歓迎しています。彼の経験、戦略的考え方がFMCの組織をより強くしていくことを期待しています」と述べた。
続いて退任する後藤氏は、「前職のデュポン社から世界一の研究開発能力を受け継いだ新生FMCの創設に加わるという栄誉を経験することができ、なんとかFMC発展の基礎を築けたのではないか。今後は、お集りの皆さんとの絆、パートナーシップを受け継いでさらに変化を遂げていくものと思っています」と述べ、後任の平井氏にエールを送った。
FMCは、2017年にデュポンの農薬事業の一部を買収。同時に研究開発技術も引き継ぎ、同じような原剤でも製剤処方や売り方を変え、差別化するなどそのマーケティング力の高さには定評がある。
平井氏は、「旧デュポンから引き継いだイノベーションをFMCが元来持つ機動力とマーケテイングを合わせ、変革期を迎えている世界の農業に対して新しい付加価値を出していきたいと」話した。
一方、戦後最大の転換期を迎えているといわれて久しい日本の農業に目を向けると、農薬業界は再評価制度の導入、規制の合理化、業界の再編など多くの課題を抱えている。また、高齢化、人口減少、多発する自然災害など安定的に食料を供給することは大きな挑戦といえる。
「だからこそ科学技術が果たす役割は非常に大きい。よく、『未来は現在の延長線上にない』といわれるが、この不確かな時代だからこそ、科学技術で貢献していきたい。10年、20年先に日本の農業がどうなるかよく考え、ゼロベースであらゆる可能性を否定せず、失敗を恐れずに挑戦していきたい」と平井氏。
創業130年のFMCが、新しい農業に特化した会社として新たな一歩を踏み出すことを宣言した。
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