週刊新潮記事の農薬安全性評価に反論 農薬工業会2020年7月10日
農薬工業会は7月6日、週刊新潮で連載された特集記事「実は『農薬大国』ニッポン」の番外編に農薬の安全性評価に関して誤った記事が掲載されているとして、同会の見解を公表した。
例えば、6月18日号の中で「農薬工業会は国のガイドラインを守っているから安全だというが、私たちはそこに問題があると指摘しているのである。たとえば、食品安全委員会も含めて、「農薬は少量なら安全だ」としているが、それを定めた安全性の基準に対する信頼性からして問題があるのだ。」という記載に対して、「OECDの枠組みの中で常に新たな試験法のガイドラインの検討は各国の専門家の協力の下で進められている」と反論。そのうえで、「日本をはじめ、欧米の農薬規制当局はOECDガイドラインもしくはそれとほぼ同等のガイドラインに則ったデータを要求し農薬の評価を行っている」として、記事の根拠となる事実の科学的検証が済んでいないと指摘した。
そのほかにも、「科学的根拠に基づいて急性中毒などを示す恐れがないと推定されるクロチアジニンの量は0.6 mg/kgです。体重16㎏の子供がこのホウレンソウを食べた場合、体重1㎏あたりクロチアジニン摂取量は0.1mg(中略)含有されるクロチアニジンの量は1/6ですから、急性中毒の恐れはないと考えられます」という同会の見解に対し、「クロチアジニンのARfD(急性参照容量)は超えないが、ADI(一日摂取許容量)を大きくこえているのだから大変な問題だ」と特集記事で反論。これに対し同会は、「残留農薬の基準値設定に当たっては、一度にたくさん食べた場合の安全性(急性影響)と長期間に渡って継続して食べた場合の安全性(慢性影響)の両方が考慮されており、厚生労働省の食品摂取頻度・摂取量調査の結果に基づいて一度にたくさん食べる場合と長時間の平均的な食品摂取量が利用されている」と指摘。幼少児の場合は一度にたくさん食べる場合の摂取量は102g、長期間平均摂取量は5.9gと推定され、一度に一束程度のホウレンソウを食べることがあっても長期間に渡ってその量を食べ続けることはないと主張した。
これまでの週刊新潮記事に関する見解を第1回から第8回、今回の番外編も追記した統合版を同会のホームページに掲載している。
(関連記事)
【週刊新潮記事に対する見解の統合版を追記 農薬工業会】
【週刊新潮記事「グリホサート」記述に科学的根拠で反論 農薬工業会】
【農薬工業会が週刊新潮特集記事に反論 科学的根拠で安全性アピール】
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