【年頭あいさつ 2023】大森茂 全国農薬協同組合 理事長2023年1月2日

全国農薬協同組合理事長
新年あけましておめでとうございます。
日本ではコロナ禍が一進一退で収まる状況にならず4年目を迎え、世界に目を転じると、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり10ケ月となりますが、世界中の食糧・燃料供給にも大きな影響が継続しており、農家にとっては、農薬も含めて生産資材費が高騰し、対応に苦慮する事態が続いています。
「これからはグローバル化の時代だ」と言っていましたが、一転して国や地域単位での自立を求められる時代に逆戻りしたようにも感じています。
太平洋戦争を体験し、戦後の食糧不足・インフレなど、ご苦労された世代の方々が少なくなる中で、これからの農業も今一度、いかに持続的な農業を目指すかを問われる時代に入ったように感じます。
昨年春、あるご縁を通じて、ごはんソムリエの資格も持たれている農政ジャーナリスト「たにりり」さんより、農業場面においてもSDGsの流れが求められ必要な時代に「農薬」についてどう考えられているか話を聞きたいとリクエストがあり、リモートにより意見交換を行いました。
私以外に、多くの農業生産に関係される立場の人や、農産物の販売・流通関係者からも話を聞かれたり、現地の様子も確認するなど、2年越しの取材をした内容をまとめられて、昨年秋に「稲作SDGsをお米のプロに学ぶ~食卓と里山をつなぐ36人の「マーケディング力」~」(発行 キクロス出版)という本にまとめられましたが、その内容は実に多岐にわたっています。
農業のあり方が見直される一方で、農家も世代交代や新規参入者などにより新たな発想を生かす場面が増えてきているように、彼女の本を読んで感じました。
全国農薬協同組合は、全国の農薬卸が集まり構成されている協同組合で、一部の農薬については共同販売を行っていますが、それにとどまらず農薬の安全使用と、消費者に対しては農薬に関する正しい理解を持ってもらえるような活動も行っています。
国が目指し、また世界の潮流として、より環境に配慮することも求められている時代だからこそ、安全性に関する再評価なども行われた農薬を正しく使用し、その農産物・作業者そして環境に対する安全性を担保していることを、一般の方々にも理解してもらうことも重要な役割だと考えています。
今年度も引き続き、各地域で全国農薬協同組合の組合員および農薬安全コンサルタント(およびコンサルタントリーダー)が、お世話になりますが、よろしくお願いいたします。
重要な記事
最新の記事
-
新品種から商品開発まで 米の新規需要広げる挑戦 農研機構とグリコ栄養食品2025年5月1日
-
米の販売数量 前年比で86.3%で減少傾向 価格高騰の影響か 3月末2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(1)耕種的防除を併用【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
春夏野菜の病害虫防除 気候変動見逃さず(2)農薬の残効顧慮も【サステナ防除のすすめ2025】2025年5月1日
-
備蓄米 小売業へ2592t販売 3月末の6倍 農水省2025年5月1日
-
イモ掘り、イモ拾いモ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第338回2025年5月1日
-
地元木材で「香りの授業」、広島県府中明郷学園で開催 セントマティック2025年5月1日
-
大分ハウスみかんの出荷が始まる 大分県柑橘販売強化対策協議会2025年5月1日
-
Webマガジン『街角のクリエイティブ』で尾道特集 尾道と、おのみち鮮魚店「尾道産 天然真鯛の炊き込みご飯」の魅力を発信 街クリ2025年5月1日
-
5月1日「新茶の日」に狭山茶の新芽を食べる「新茶ミルクカルボナーラ」 温泉道場2025年5月1日
-
「越後姫」食育出前授業を開催 JA全農にいがた2025年5月1日
-
日本の米育ち 平田牧場 三元豚の「まんまるポークナゲット」新登場 生活クラブ2025年5月1日
-
千葉県袖ケ浦市 令和7年度「田んぼの学校」と「農作業体験」実施2025年5月1日
-
次世代アグリ・フードテックを牽引 岩手・一関高専から初代「スーパーアグリクリエーター」誕生2025年5月1日
-
プロ農家が教える3日間 田植え体験希望者を募集福井県福井市2025年5月1日
-
フィリップ モリス ジャパンとRCF「あおもり三八農業未来プロジェクト」発足 農業振興を支援2025年5月1日
-
ビオラ「ピエナ」シリーズに2種の新色追加 サカタのタネ2025年5月1日
-
北限の茶処・新潟県村上市「新茶のお茶摘み体験」参加者募集2025年5月1日
-
「健康経営優良法人2025」初認定 全農ビジネスサポート2025年5月1日
-
「スポットワーク」活用 農業の担い手確保事業を開始 富山県2025年5月1日