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農薬:現場で役立つ農薬の基礎知識2020

本田防除の決め手は計画的な予防散布【現場で役立つ農薬の基礎知識2020】2020年6月9日

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水稲の本田防除

本年も暑かったり寒かったりと、安定しない天候が続いている。ここのところ、例年という言葉を忘れるくらい気候が毎年変動しており、病害虫の発生予測が難しく、発生状況に合わせた防除がやりづらくなっている。
稲作では、梅雨入りに向かうこの時期は、幼穂形成や必要茎数確保に大変重要な時期であるとともに、本田で発生する病害虫の初期防除を徹底したい時期でもある。特に、いもち病などは、葉いもちの発生量が穂いもちの発生量に影響するので、被害が大きい穂いもちを防ぐためにも、この時期の葉いもち対策を徹底しておきたい。
この時期に必要な病害虫防除のポイントを、以下に整理したので参考にしてほしい。

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◆この時期に叩いておきたい病害虫

【いもち病】
水稲栽培において最も大きな被害を発生させるいもち病。

この病害は、糸状菌(かび)が引き起こし、25℃~28℃の温度と高湿度を好む。感染には水滴が必要で、梅雨に入り、稲体に水滴が付着している時間が長いときに発生が多くなる。稲体への侵入には水滴が必要であるし、胞子の飛散にも90%以上の高湿度が必要なため、蒸した気候が続くときに蔓延しやすくなる。いもち病は、水稲生育のどの段階でも発生し、苗いもちが葉いもちの発生に影響し、葉いもちの発生量が穂いもちの発生量に影響する。特に、葉いもちを放置すると生育への影響が著しいばかりか、最も怖い穂いもちが穂首や籾に発生し、白穂や稔実不良、着色米を起こし、収量や品質が低下してしまう。

【紋枯病】
紋枯病は、いもち病とは違う種類の糸状菌(かび)が起こす。稲の水際の茎葉部に、雲形で中央が灰白色の病斑をつくり、それから、だんだんと上位に病斑が伸びていき、発生が多いと止葉まで達する。そこまで行くと、減収の被害が出る。また、茎葉が病斑によって弱まって倒伏しやすくなるので、コシヒカリなど背の高い品種は要注意である。

株間の湿度が高いと発病が多くなるので、茎数が多い品種はもちろん、窒素過多による過繁茂などは発病が多くなる要因となるので注意が必要だ。

その他、稲こうじ病やごま葉枯病、細菌が原因の白葉枯病といった病害が近年多くなっている。この中でも稲こうじ病は、有効な防除時期が穂ばらみ期に限られているので、発生が多い水田では、防除の時期を逃さないよう注意が必要だ。

【ウンカ等害虫】
一方害虫では、田植え直後から発生するイネミズゾウムシやイネドロオイムシ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ、ツマグロヨコバイ、トビイロウンカなどが主な対象害虫である。これらは、まだ幼いイネの葉を加害し、初期生育を遅らせたり、ウイルス病を媒介したりする被害をおこすが、初期の防除をきちんと行っていればそれほど怖いものではない。

ただし、ウンカ類にはネオニコチノイド抵抗性害虫が発生している地域があるので、そのような場合は、薬剤の選択にあたっては指導機関に相談してほしい。

また、ニカメイガなどは、後半の発生を抑えるためにこの時期の発生量を減らしておいた方がよいので、常発地ではこの時期のニカメイガ防除を確実に行っておきたい。

 
◆上手な防除とは

近年、病害虫の発生に応じた適期防除がやりにくい気象が続いている。病害虫の増殖スピードが速い場合も見受けられ、このような場合、突発的な発生に対する緊急防除も間に合わない場合もある。このような緊急防除をあわてて行わないで済むようにするには、残効の長い薬剤を使用した計画的な予防散布を中心に考えるとよい。

 
(1)予防散布が効果的な理由

近年のように気象変動が大きく、病害虫の発生時期や生育速度が早まったりする場合には、病害虫発生後の散布では、既に農薬の適期防除を逃すリスクが高まる。

例えば病害の場合、発生したかどうかは、病斑が見つかった時に確認されるわけだが、病害には、感染してから発病するまで症状が出ない期間(潜伏期間)があるので、目の前の病斑以外にも、発病はしていないがすでに感染している稲株がある可能性が高い。つまり、病斑が見つかった時に見つかった部分だけ防除しても、実は、隠れた病害を取りこぼしてしまうこともあり得るということだ。それでは、潜伏していた病害が病斑として出現した時、再び農薬を撒かなければならなくなる。農薬の使用回数は、ほ場に対してカウントされるので、こうした防除を行っていれば、多発時には、農薬の使用回数があっという間に回数上限に達してしまうだろう。

また、稲の表面を保護する、いわゆる保護剤を使えば新たな感染を防ぐことはできるが、既に潜伏している病害には効果がなく、取りこぼした病斑から胞子の飛散を許してしまう。このため、保護剤での防除は、効果の持続期間が切れる前に繰り返し散布するこ必要があり、また、新葉が出ればそれに対しても散布する必要がある。

これに対し、長期に効果が持続する農薬を病害虫が飛んで来る前に使用しておくと、効果の持続期間中は安定して防除効果を発揮してくれるので、トータルの防除回数を少なく抑え、安定した効果が得られる。

もちろん、地域単位で全く発生しない病害虫を防除する必要はないが、毎年発生する病害虫に対しては、長期に効果が持続する農薬をあらかじめ施用しておいた方がより効率的だといえる。

 
(2)育苗箱処理剤を防除の中心に

長期に効果が持続し、しかも少ない防除回数で安定した防除効果を得るためには、長期持続型の有効成分を含む育苗箱処理剤が最も適しているだろう。つまり、まだ病害虫にさらされていな育苗段階から外敵への備えを済ますことができ、しかも重要な防除時期を通して効果が期待できるので、どんな発生状況になっても十分な効果を発揮することができるだろう。

この長期持続型育苗箱処理剤を使用してあれば、本田での病害虫の発生が低く抑えられているので、仮に病害虫が発生したとしても、本田防除を少ない回数で仕上げることができる。

このようなメリットがあるので、まだ活用していないようであれば、一度長期持続型の育苗箱処理剤を試してみてほしい。

 
(3)本田散布もできるだけ予防的散布を

箱処理剤を使用しない場合や緊急防除、空中散布では、本田散布の粒剤や豆つぶ剤、水和剤やフロアブル、粉剤などを地上部から散布することになるが、その場合でも、前述のような理由で、できるだけ適用の範囲内で病害虫が発生する前に散布するようにしたい。

また、病害虫の発生後に散布せざるを得ない場合は、出来るだけ発生初期の病害虫の密度が少ないうちに散布することが重要だ。病害の場合は、治療効果のある薬剤でも発生密度が少ない方が高い効果を発揮するし、害虫も小さな幼虫の内に防除できれば被害も少なくて済む。一見無駄に見える予防散布も、発生状況に応じた計画的な散布であれば、臨機防除よりも効率的になり得ることを知っておいていただきたい。
本田防除剤の一覧を添付したので活用してほしい。

主な水稲殺菌成分の特性一覧

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