「低価格」がPB商品購入のポイント2013年3月28日
日本政策金融公庫の農林水産事業は平成24年度下半期消費者動向調査でプライベートブランド(PB)商品に対する意識調査を行い、その結果を3月25日公表した。
◆安い、おいしい、を求める消費者
この調査は全国の20歳代?70歳代の男女2000人にインターネットで実施した。
1年前と比べた品目別のPB商品の購入状況を聞いたところ、どの品目も「変わらない」という人が5割前後となったが、すべての品目で「増えた」という人が「減った」という人を上回った。とくに「増えた」との回答は菓子、牛乳・乳製品、飲料、パンが多かった。
商品を利用するときの基準を聞いたところ、PB商品では「価格の安さ」が82.3%でもっとも多く、低価格が購入のポイントになっているといえる。一方、メーカー商品は「おいしさ」(62.4%)がもっとも多かった。
しかし、PB商品に求める水準として約6割の人が「通常のメーカー商品と同等かそれ以上の品質で、通常のメーカー商品より価格が安い」ものと回答しており、低価格だけでなく品質を求めるニーズも表れている。
今後、PB商品、メーカー商品に求めることとして、PB商品では「おいしさ」、通常のメーカー商品では「価格の安さ」の割合が高かった。

◆PB商品選択は「1割以上」の価格差
品質が同じPB商品とメーカー商品が売られている場合、「1割以上安ければPB商品を購入する」との回答が44.7%でもっとも多い。
PB商品の購入場所の1位は総合スーパー(55.4%)でPB商品の開発強化や品揃えの拡充を積極的にすすめていることが表れている。
◆食品産業、PBを積極的拡大
食品関係企業は、PB商品・製品の扱いを拡大していることが平成24年度下半期の食品産業動向調査結果からわかった。
PB商品・製品への今後の対応を聞いたところ、3年前に行った調査と比べ「現在の扱いを増やしたい」が4.5ポイント増の37.4%、「今後扱ってみたい」は3.3ポイント増の46.6%となった。業種別でみるととくに小売業で「現在の扱いを増やしたい」が45.1%と高くなっている。
今後どのようなPB商品・製品に取り組みたいかを聞いたところ、1位は「おいしさ」(54.2%)、次いで「安全性の高さ」(42.2%)、「国産原材料の使用」(21.5%)となり、質的な評価を商品のコンセプトとして重視していることがわかった。一方、消費者に近い立場の小売業は「価格の安さ」が40.9%と他業態に比べ突出して高くなっている。

(関連記事)
・PB食品の市場拡大続く 富士経済調査(2013.02.01)
・農業景況DI8年ぶりプラス 公庫が調査(2013.03.21)
・消費者の国産志向、震災前に回復(2013.03.15)
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