惣菜市場10兆円規模に 「2018年惣菜白書」2018年5月25日
(一社)日本惣菜協会は、中央・惣菜業界の国内市場をまとめた「2018年 惣菜白書」を発行した。
「白書」によれば2017年の惣菜市場規模は、前年対比102.2%の10兆555億円となり、ついに「10兆円の大台を突破した」という。いまから「約40年前の市場規模約9000億円と比べて10倍以上の成長を遂げた」ことになる。また、10年前の2007年と2016年(内閣府「国民経済計算」2017年は未発表。)を比較しても123.8%と食品市場全体の成長を上回って伸長している。これは、高齢化や核家族化・女性の社会進出など「ライフスタイルの変化を反映して、惣菜の利用が大きく増加していると考えられる」と白書は分析している。
業態別にみると、「CVS」が前年比103.7%の3兆2290億円(市場構成比32.1%)、「食料品スーパー」が同103.1%の2兆6206億円(同26.1%)と、この2業態で市場の約6割(58.2%)を占め、引き続き市場を牽引している。その他の業態では「専門店、他」が同100.6%の2兆9204億円(同29.0%)、「百貨店」が同99.2%の3644億円(同3.6%)、「総合スーパー」が同100.7%の9212億円(同9.2%)と横ばいとなっている。
市場シェアの動向をみると、2015年に「CVS」が「専門店、他」の30.0%を上回り30.9%占め、16年、17年とシェア率を高めている。「食料品スーパー」も毎年シェア率を高めているが、「専門店、他」は15年のシェア30%から毎年0.5%ずつ下げ、17年は29.0%となっている。その他の業態もシェア率をさげていることが、2017年惣菜市場の大きな特徴だといえる。
また消費者の動向として「各品目を半年間で3回以上購入した消費者の割合」を調査した結果(首都圏)をみると、1位が「弁当」で51.0%、2位が「おにぎり」の48.0%、3位が「サンドイッチ」と「コロッケ」の41.2%、5位「野菜サラダ」36.3%となっており、上位2位までが米飯利用となっていることに注目したい。
この「2018年 惣菜白書」は、協会会員・賛助会員・協力会員・学校関係者などは、5000円(送料・税込)で、一般企業や個人は1万円で購入できる。
○購入・問い合わせ先:日本惣菜協会
○TEL:03-3263-0957
○FAX:03-3263-1325
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