国内清涼飲料の市場規模0.8%減 富士経済が公表2020年9月7日
(株)富士経済(東京都中央区、清口正夫社長)は9月4日、国内清涼飲料の市場規模を発表した。数量ベースで見ると、2019年は対前年比0.8%減の2594万キロリットル、2020年の市場見込みは同4.2%減の2484万キロリットルとなっている。

金額ベースみた2019年の市場規模は対前年比0.1%増の5兆2066億円で、2020年見通しは同5.3%減の4兆9326億円となっている。
19年は、大容量PETの廉価販売是正の取り組みとして実施された価格改定や7月の冷夏がマイナス要因として働いたが、ゴールデンウィークが大型連休になったことや8月以降の猛暑がマイナス幅を縮小し、結果として金額ベースで前年をわずかに上回った。
品目別では、果実・野菜飲料4484憶円(114億円減)、炭酸飲料5512憶円(125憶円減)、乳性飲料1兆1262憶円(81億円減)、コーヒー飲料8547億円(128憶円減)、茶系飲料1兆1033億円(405億円増)、ミネラルウォータ類3527憶円(94億円減)、機能性飲料6406億円(169億円増)など。前年割れになる品目が多いなか、好調を維持するエナジードリンク(機能性飲料)や通年商材としての地位を確立した麦茶で伸びた。
東京五輪特需が期待されていた20年は、新型コロナウイルスの感染拡大が数量、金額いずれの数字にも大きく影響。緊急事態宣言に伴う外出自粛や感染防止に配慮した企業活動が今現在も続いているが、無糖炭酸飲料と野菜系飲料は対前年比プラスに転じる品目として注目している。
無糖炭酸飲料は、好調を続ける「ウィルキンソン」(アサヒ飲料)」がけん引し、外出自粛でコンビニや自販機の売り上げが減っている20年も659億円と対前年比104.1%を見込む。
野菜系飲料は、家庭内需要の伸びに加え、新型コロナウイルスの感染が拡がるなか「健康飲料」としての需要が増えているため、対前年比102.1%の1833億円を見込んでいる。
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