8カテゴリー71業態の外食産業国内市場調査 富士経済2020年7月13日
(株)富士経済は、8カテゴリー71業態の外食産業国内市場を調査した。
2020年注目分野の概況は以下の通り。
〈居酒屋・炉端焼〉
20年の市場規模は1兆1715億円(前年比27%減)と推定。宴会需要の低迷や若年層の酒離れに加え、新型コロナウイルス感染症の影響を受け大幅に縮小する。
19年は、上位チェーンで不採算店舗の整理や業態転換を行い、トータル店舗数が減少したところが多い。上位以外では倒産や閉店も増加した。台風15・19号による一時休業や10月1日からの消費税増税の影響もあり、市場は縮小した。
20年は、宴会需要の低迷や若年層の酒離れが続いていることに加え、4月1日施行の改正健康増進法により原則屋内禁煙化となり、上位チェーンでは一部店舗に喫煙室を設置するなどの対策を講じているが、喫煙客の需要は減少が予想される。
また、新型コロナウイルスの影響で来店客数が減少したことや、緊急事態宣言発令に伴う酒類提供自粛により、上位チェーンの多くは休業や短縮営業を余儀なくされ、市場は縮小するとみられる。
〈焼肉料理〉
20年の市場規模は4901億円(前年比13%減)と推定。
19年の市場は、一部企業が苦戦したものの郊外ロードサイド店を中心に成長している企業がけん引したため拡大した。20年は、引き続き郊外ロードサイド店を展開する企業の好調が期待されていたが、新型コロナウイルスの影響により休業が相次ぎ、ディナーを中心に客数が減少したため市場縮小が予想される。
ただ、焼肉料理はファミリー需要が高く郊外ロードサイド店を中心に需要は回復するとみられる。
〈餃子専門店〉
20年の市場規模は1531億円(前年比9%減)と推定。
19年の市場は、上位チェーンの積極的な販促と、関東を中心に成長を続けている「ぎょうざの満州」や「NATTY SWANKY」が出店エリアを広げ、実績を伸ばしたことから拡大した。
20年は、テイクアウトにより2月までは好調なチェーンも多かったが、3月以降新型コロナウイルの影響により客数が減少しており、市場は縮小が予想される。
このほか、料飲店は若者の酒離れや宴会需要の低迷から店舗数が減少し、市場縮小が続いている。20年は改正健康増進法による原則屋内禁煙化や、新型コロナウイルスの影響により来店客数が減少していることなどから、市場は大幅に縮小するとみられる。
ファミリーレストランは、19年から上位チェーンが店内を禁煙にした影響や、人手不足による営業時間短縮などにより市場は縮小した。20年は各チェーンが短縮営業や休業を余儀なくされている。
一部チェーンでは、テイクアウトやデリバリーを強化することでユーザー獲得を図っているが、市場の大幅縮小が予想され
る。
西洋料理は、19年は上位チェーンの不調によりステーキ・ハンバーグレストランの伸びが鈍化したものの、ドイツ料理が前年以上に伸長したほか、プレミアムハンバーガーやカフェレストランも好調だったため市場は拡大した。20年は短縮営業や休業が影響し、市場の縮小が予想される。
日本料理は、そば・うどん、すきやき・しゃぶしゃぶ、とんかつなどの主力業態の客数の減少に伴い市場の縮小が続いている。20年は接待・宴会のキャンセルが相次いでいる料亭・割烹で、特に減少幅が大きくなると予
想される。
東洋料理は、19年はテーブルオーダーバイキング形式の焼肉料理が伸び市場が拡大した。20年は、新型コロナウイルスの影響により市場縮小が予想される。
エスニック料理は、19年は上位チェーンが安定した実績を残したほか、ベトナム料理の注目度が高まり市場は拡大した。20年は各チェーンとも営業体制を縮小。テイクアウトやデリバリーを強化する動きがあるものの、市場は縮小するとみられる。
宿泊宴会場は、ホテルの開業ラッシュとインバウンド需要の増加で19年まで市場拡大が続いていたが、20年は入国制限や結婚披露宴などの宴会の自粛に加え、東京五輪の延期によって打撃を受け市場は縮小するとみられる。
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