レトルトライス、植物性ヨーグルトさらに拡大 加工食品の市場調査結果 富士経済2020年2月19日
各種マーケティング調査を行う富士経済は2月17日、米飯類やチルドデザートなど加工食品66品目の国内市場を調査し、2024年市場の予測(2018年比)を行った。
2024年の市場は2018年比で、無菌包装米飯・レトルトライスが、847億円で11.7%増と予測。健康志向の強い女性層から支持を集め、市場が拡大している植物性ヨーグルトは33億円で26.9%増えると予測している。
カテゴリー別の調査結果は以下のとおり。
◆無菌包装米飯・レトルトライス
2019年の見込みは、792億円で2018年比104.5%。2024年は、847億円で2018年比111.7%と予測。
無菌包装米飯・レトルトライスは、防災備蓄需要に加え、近年は単身世帯の増加や高齢化など社会環境の変化により、その簡便さから需要が増し、日常食として定着している。2018年は、西日本豪雨や北海道胆振東部地震など災害が続いたことで防災意識が高まり、非常食需要が増加。2019年は新工場の稼働やライン強化など生産能力の増強を進める参入企業がみられる。また、9月、10月に台風が上陸したことにより防災意識がさらに高まった。引き続き伸長が見込まれる。
◆植物性ヨーグルト
2019年の見込みは27億円で2018年比103.8%。2024年33億円で2018年比126.9%と予測。
豆乳を乳酸菌で発酵した植物性ヨーグルトは、大豆イソフラボンと乳酸菌を一度に摂れることから健康志向の強い女性層から支持されている。
2019年は終売商品がみられたが、ポッカサッポロフード&ビバレッジが「ソイビオ豆乳ヨーグルト」の全国販売を始め、実績を伸ばした。さらに市場の拡大が見込まれる。
◆冷凍ケーキ
2019年の見込みは、345億円で2018年比101.5%。2024年は370億円で2018年比108.8%と予測。
人手不足を背景に作業負担の軽減、保存性の高さや廃棄ロスの抑制といった点が支持され、外食業態を中心に需要が増している。2018年は、各社の注力により簡便性や品質が向上したことで、ホテルなど各チャネルで採用が増加し、市場は拡大した。2019年は旬のフルーツや素材を使用した季節感のある商品や催事に合わせた商品に対するニーズが高まっており、各社は一年を通じて提案可能なラインアップを強化。利便性の高さなどから需要は引き続き増加しており、市場の拡大が見込まれる。
◆冷凍中華めん
2019年の見込みは、417億円で2018年比102.7%。2024年は、440億円で2018年比108.4%と予測。
中華めんは、ラーメン、ちゃんぽん、焼きそばを冷凍した商品が対象。近年、市販用では有名店監修などの具材付き商品が好調で、業務用では人手不足などに対応した簡便性の高い商品が好調。2019年も業務用の需要が増加している。また、市販用ではマルハニチロが新商品の投入や既存商品のブラッシュアップを行ったほか、キンレイの専門店品質を訴求した商品が好調なことから市場は拡大が見込まれる。
◆チルドラーメン
2019年の見込みは506億円で2018年比99.8%。2024年は502億円で2018年比99.0%と予測。
チルドラーメンは、チルドで製造・流通される中華めんで、ラーメン、冷やし中華、つけめん、ちゃんぽんなどが対象。
市場は2015年に汁なし担々麺やジャージャーめんなどの汁なし商品が発売されたことで拡大したが、近年は微減が続いている。東洋水産の「マルちゃんの生ラーメン 3人前」などの主力商品は好調だが、冷凍めんや中食との競合が激化しており、一部需要の流出がみられる。2019年は上位各社が簡便訴求や健康訴求の商品に注力しているが、実績を落とす企業がみられ、縮小すると見られる。
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