「移動スーパーとくし丸」高齢者の消費者トラブル調査 消費者庁から委託2022年9月15日
食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地の連結子会社で株式会社とくし丸(徳島県徳島市)は、高齢者を対象に「移動スーパーとくし丸」を展開。その販売と同時に行う「見守り活動」の取り組みが評価され、消費者庁が実施する「令和4年度 地方消費者行政に関する先進的モデル事業」に参画することになった。
「とくし丸」の利用イメージ
高齢者・障がい者の消費者被害が社会課題となっており、高齢者のいる家に電話をして商品を契約させる「電話勧誘販売」や、業者が家に来て商品やサービスを契約させる「訪問販売」のトラブルに巻き込まれ、被害にあうケースが後を絶たない。
こうした状況を受け、とくし丸は、同事業を受託した船井総合研究所と共に、東京都新宿区と鹿児島県奄美市の「移動スーパーとくし丸」で、販売員が利用者に対し消費者トラブルに関するヒアリング調査を行い、注意喚起等の啓発を実施。消費者の安全・安心な消費生活の実現に向けて連携をとりながら同事業を進める。また、同事業に取り組む中で有益な調査結果が得られていることから、さらに調査エリアの拡大を推し進めるとともに、各省庁や自治体との官民連携をより一層推進していく。
「移動スーパーとくし丸」は、食品や生活雑貨を販売するという事業を通じて、効果的な「見守り」の機能も果たしている。週2回訪問し、対面で利用者と接することを続けていくと、販売員は小さな異変でも察することができるようになる。
これまでも、利用者の憔悴した様子に気付き、落ち着いて話を聞いて、然るべき対処をしたことで消費者トラブルを未然に防いだ事例がいくつもあった。また、とくし丸・地域スーパー・自治体との三者間で「見守り協定」を結び、緊急時の情報連携や活動内容を報告書にまとめて提出する体制も整っている。
こうした経緯からとくし丸は、日々の「見守り活動」に加え、対応が必要となる前段階で消費者トラブルに見舞われないためのサポートについて検討してきた。同事業では、80歳前後を中心とした利用者に対して、販売員が消費者トラブルに関するヒアリングをしたり、直接注意喚起ができる「移動スーパーとくし丸」ならではの仕組みに、消費者庁が着目。「消費者トラブルに関するヒアリングや情報提供」が日ごろの見守りにつながるという点にとくし丸が共感したことから実施する。
移動スーパー「とくし丸」の車両
◎「令和4年度 地方消費者行政に関する先進的モデル事業 実施概要
実施スケジュール:2022年5月~2023年2月
実施エリア/台数:丸正総本店(東京都新宿区)2台、グリーンストア(鹿児島県奄美市)2台
実施内容:
<事前研修の受講>
・同事業実施にあたり、販売員は、消費者問題の専⾨家から「昨今の消費者問題の動向」「典型的な消費者問題の事例」等を学習。消費者トラブルの発⾒につなげるための知識・ノウハウを習得するとともに、「実際の⾒守り活動においての進め⽅・注意点」の具体的な⽅法についてもレクチャーを受けている。
<ヒアリング調査>
・買い物の際に「過去・現在の詐欺被害や消費者トラブルがなかったか?」「電話や訪問による怪しい人物からのコンタクトがなかったか?」を対面で販売員がヒアリング
<集約・情報提供>
・悪質商法に関わる最新事例等について、とくし丸より自治体へ情報を共有
<ヒアリング調査 結果事例>(一部抜粋)
オレオレ詐欺、キャッシュカード詐欺、リフォーム詐欺、投資詐欺、還付金詐欺、訪問買取など、多くの事例が報告された。
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